Date: 9月 12th, 2014
Cate: SP10, Technics, 名器
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名器、その解釈(Technics SP10の場合・その2)

State of the Artの意味については、別項「賞からの離脱」で触れている。
日本語にするのが難しい。
いまだ端的な日本語に置き換えることはできないでいる。

State of the Art──、
artがつくから、State of the Art賞に選ばれたオーディオ機器はすべて名器といえるのか、となると、
これも即答するのが難しい。

State of the Art賞が始まったステレオサウンド 49号を読むかぎり、
State of the Art賞に選ばれたオーディオ機器すべてが名器ということではない、というのは伝わってくる。

結局、テクニクスのSP10MK2が選ばれたのは、State of the Art賞だったから、ともいえよう。
誰もが、その性能の高さは認めている。
単体のターンテーブルとして、SP10MK2の性能は、標準原器と呼ばれるにふさわしいレベルであった。

ようするにSP10MK2がState of the Art賞に選ばれたのは、標準原器であったからではないのか。
名器ではなく、原器としてのSP10MK2に、State of the Art賞が与えられた、ともいえる。

原器とは、測定の基準として用いる標準器で,基本単位の大きさを具体的に表すもの、
同種類の物の標準として作られた基本的な器、と辞書には書いてある。

SP10はターンテーブルである。
ターンテーブルは正確な回転の実現が求められるオーディオ機器である。
アンプやスピーカー、他のオーディオ機器よりも、原器としての機器のあり方がはっきりとしている、ともいえる。

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