賞からの離脱(その36)
41号からステレオサウンドを買いはじめた。
そんな私にとってはじめてのベストバイの号は、三冊目の43号。
このときはまだ、読者にとってのベストバイ特集号の意味がわかっていなかった。
仮に43号で51号のやり方でベストバイの特集が組まれていたら、
それはそれで面白いとよんだかもしれない。
けれど51号を手にする時には、ステレオサウンドを読みはじめて二年半、10冊を読んでいたわけだから、
43号を手にした時とは違っていて当然である。
読者とは勝手である。
少なくとも私はそういう読者だった。
41号から51号までのステレオサウンドの総テスト、
42号でプリメインアンプ、44号と45号でスピーカーシステム、46号でモニタースピーカー、
48号でアナログプレーヤーの総テストを行っている。
瀬川先生はいずれにも参加されている(48号は冒頭のブラインドフォールドテストのみだったけど)。
こうやって何冊ものステレオサウンドを読んでいくうちに、
ここはこうあってほしい、そうなてくれればもっと面白くなるのに……、と思うようになってくる。
私の場合、総テストすべてに瀬川先生が参加されればいいのに……、と思うようになっていた。
かなりの総テストの試聴メンバーであった瀬川先生だけれど、52号と53号のアンプのテストはそうではなかった。
それに新製品紹介のページに扱われた製品が、総テストに必ずしも出てくるとは限らなかった。