Date: 8月 8th, 2010
Cate: 朦朧体
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ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その6)

キャバスのブリガンタンは、1本655,000円。
当時、JBLの4343は739,000だった。

4343は4ウェイで、上2つのユニットはホーン型。
一方のブリガンタンは3ウェイで、スコーカー、トゥイーターはドーム型。
ウーファーの口径はほぼ同じだが、ブリガンタンは36cmと、4343の38cmより、ちょっとだけ小さい。

こんなふうにスペックだけを4343と比較していくと、それほど魅力的なスピーカーシステムとは思えない、
このブリガンタンが、1977年当時、もっとも聴いてみたいスピーカーの筆頭だった。

もっともそれにはもうひとつ理由ともいえない理由があって、
当時キャバスというブランドは著名なブランドではなかったし、実物をみる機会すらなかった。
だから、よけいに、とにかく聴いてみたい、と思っていただけでもあるのだが。

井上先生が候補として選ばれたもうひとつのスピーカーシステム、ロジャースのLS3/5Aは75,000円(1本)。
大きな音は望めない、低音も、もちろんこのサイズだがそれほど望めるわけではない。

でもこの小ささと、4343のほぼ10分の1の価格。
けっして、あらゆる音楽を4343のように十全に楽しませてくれるだけの能力は秘めていないものの、
ある特定のジャンル、ある特定の聴き方には、
LS3/5A以上に魅力的なスピーカーシステムは、そう多くはない、ということは、誌面から伝わってきていた。

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