Date: 6月 22nd, 2014
Cate: アナログディスク再生
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電子制御という夢(その8)

レコードの吸着システムは、個人的には使ったことがなかった。
ラックスのPD300が登場した時も、吸着そのものには興味を持ったけれど、
PD300というプレーヤーそのものに興味を持てなかった。

なにもPD300はダメなプレーヤーだということではなくて、
PD300がラックスでなく他のメーカーの製品であったなら、興味の持ち方も変っていたかもしれない。

ラックスだったから、興味をもつことはなかった、のは、
どうしてもラックスのプレーヤーといえばPD121の印象が私にとっては強すぎるからだけで、
PD121のラックスが、こんな格好のプレーヤーをつくるのか、
という、こちら側の勝手な思い込みのようなものが裏切られた感じがしただけのことである。

プレーヤーキャビネットの前面右側に吸着機構のレバーがついているのも、気にくわなかった。

PD300はステレオサウンド 58号の第二特集The Matchの中で取り上げられている。
PD300の比較対象として選ばれていたのは、やはり吸着機構をもつビクターのTT801+TS1。

PD300が手動ポンプ、TT801+TS1は電動ポンプ、
それからベルトドライブとダイレクトドライブという違いがある。

それ以外にも吸着そのものに対する考え方、その機構・動作にも違いがあるが、
ここでは関係ないので省略する。

オーディオテクニカのAT666はPD300よりも関心をもっていた。
ターンテーブルシートだから、手持ちのプレーヤーに使えることも、
ターンテーブルシートの価格としては高価に感じても、吸着機構付きだからと思えば、そうでもなかったからである。

でもこれも結局は試すこともなかった。
前述したようにチューブの装着・脱着が、
アナログディスクを聴く時には、ターンテーブルを停止させることがない私には、
ことさら面倒に感じからである。

ステレオサウンドの記事を読んでも、まだまだ吸着技術そのものが未熟なようにも思えていた。

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