Date: 7月 23rd, 2010
Cate: High Fidelity, 五味康祐
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ハイ・フィデリティ再考(その6)

高城重躬氏の名前を知ったのも、「五味オーディオ教室」である。
こう書かれている。
     *
今から二十年ほど前になるが、当時、ハイ・ファイに関しては何事にもあれ、オーディオ評論家の高城重躬氏を私は神様のように信奉し、高城先生のおっしゃることなら無条件に信じていた。理由はかんたんである。高城邸で鳴っていた、でかいコンクリート・ホーンのそれにまさる音を、私は聴いたことがなかった。経済的に余裕がもてるようになって、私も高城邸のような音で聴きたいと思い、できることなら高城邸以上のをと、欲ばり、同じようなコンクリート・ホーンを造った。設計は高城先生にお願いした(リスニング・ルームの防音装置に関しても)。
     *
ここまで読んだときは、高城重躬氏という比とのことは全く知らないけれど、
五味先生が「高城先生」と呼ばれるくらいだから、どんなにすごい人なのだろう……、と思いながら、
先を読み進めると、すこし様相が変ってくる。

五味先生は、コンクリート・ホーンの3ウェイに、低域はJBL、中音域はタンノイ、
高域のみ、高城氏のすすめられるワーフデールのスーパー3という、混成旅団でまとめられている。
高城氏は、当時、ワーフデールを好まれていて、
画家の岡鹿之介氏のスピーカーも、ワーフデールの3ウェイでまとめられている、とある。
岡氏のトゥイーターも、スーパー3である。

同じスーパー3にもかかわらず、五味先生のお宅では「鳴ってくる音がまったく違う」結果になっている。
そのため、高城氏の推奨される後藤ユニットに、中・高域のユニットを取り替えられるが、
これも「結果は前よりいっそう気にくわぬ音だった。一時、私は絶望的になっていた」ところに、
ある人の好意で、ワーフデールの “Omni directional” を入手されている。

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