4343における52μFの存在(その37)
4343、4341においてひとつ、どうしても想像してしまうのは、ウーファーが2231Aではなく、
4350に搭載された白いコーンの2230だったら、
52μFのコンデンサーの挿入位置は変っていた、つまり通常の位置になっていたかもしれないということ。
この項の(その23)(その24)で述べたことのくり返しになるが、
2231は2230よりも汎用性の高さを狙った設計となっている。
だから2ウェイの4331、3ウェイの4333でも使われているわけだが、
ウーファーのカットオフ周波数が、4331、4333よりも1オクターブ以上低い4ウェイの4341、4343においては、
2231の汎用性の高さはそれほど必要としないし、2230の問題が生じはじめる周波数帯域は避けられるだろう。
2230は、JBLのユニットのなかでは、なぜか短命で終っている。
4341開発時点では、いちおうカタログ上では残っていたようだが、
おそらく製造中止が決定されていたのではなかろうか。
質量制御リングありの2231、なしの2230。
汎用性ウーファーとしての完成度の高さは、ありの2231の方が上だと思う。
それでも4ウェイであれば、そういう汎用性の高さは、必ずしもメリットとはなりにくい。
もっと低い周波数帯域で使うウーファーとしての設計ということになると、2230にも魅力を感じる。
4343に表面が白のウーファーが似合うかといえば、まぁ似合わないだろう。
似合わなくとも、2230にすることで低音の鳴り方は大きく変化するはずだ。
そうなれば52μFのコンデンサーに、
上3つの帯域の信号をすべて通して、という音づくりの必要性はなくなった可能性がある。
バイアンプ駆動でなくとも、低音の響きの透明感は増したかもしれない。そう思えるからだ。