想像つかないこともある、ということ(その8)
「コンポーネントステレオの世界」以外にもまだある。
HIGH-TECNIC SERIES-1、マルチアンプを取り扱ったこの別冊で、井上先生はパラゴンの組合せをつくられている。
マルチアンプの本だから、パラゴンをマルチアンプ駆動するという組合せであり、
パワーアンプにはパイオニアのExclusive M4、コントロールアンプはクワドエイトのLM6200R。
このアンプのペア。
岩崎先生がパラゴンを鳴らされていたのとまったく同じである。
だから、井上先生はこう書かれている。
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パラゴンを巧みに鳴らすキーポイントは低音にあるが、特にパワーアンプが重要である。ここではかつて故岩崎千明氏が愛用され、とかくホーン型のキャラクターが出がちなパラゴンを見事にコントロールし、素晴らしい低音として響かせていた実例をベースとして、マルチアンプ化のプランとしている。
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HIGH-TECNIC SERIES-1は、1977年に読んでいる。
この井上先生の文章は記憶していた。
それでも、このことが「コンポーネントステレオの世界」での井上先生の組合せとつなげることは、
10代の私にはできなかったけれど、いまはできる。
10代のころには見えなかったことが、はっきりと見えている。
いくつものことがいまつながっている。