オーディオ背景論(その1)
一年以上前からテーマとして思いつき、
いつか書き始めようと思いながらも、今日までずるずるとのばしてきたのが、オーディオ背景論である。
オーディオ背景論と表示したくて「おーでぃおはいけいろん」と入力すると、
「オーディオは異形論」と変換された。
これはこれでなかなか示唆に富むタイトルになるかもしれないと思うが、
ここではオーディオ背景論について書いていく。
もう40年ほど昔の話になるが、10歳ぐらいのころ、
手塚治虫に憧れていて、漫画家になりたいと思っていた。
ヘタながら途中までマンガを描いたこともあった。
でも早々とあきらめたのは、弟の絵の巧さを知ったからで、
こんなにも易々とこれだけの絵が描けるのか……、と落ち込んだ。
漫画家になろうとはもう思わなくなったけれど、
ずっと読みつづけてきて感じているのは、絵の緻密さの変化である。
マンガと小説、どちらにもストーリーがある。
けれど、小説では必要がなければ、その場面場面での背景について書かなくてもすむ。
マンガではそうもいかない。
その場面場面ごとにふさわしい背景を描いていかなければならない。