Date: 6月 1st, 2010
Cate: 4343, JBL
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4343における52μFの存在(その31)

52μFのコンデンサーの挿入位置を、あえて通常とは違うところにしているのは、
特性やユニットの保護の意味合いではなく、上ふたつの帯域(ミッドハイの2420とトゥイーターの2405)の音を、
あえて甘くしている、というか、すこしぼけさせるためだ、と考えている。

こういう表現すると、なぜ、メーカーが、わざわざ音を悪くするのか、と疑問ももたれるだろう。
だが、スピーカーシステムとしての完成度は、
必ずしも個々のスピーカーユニットの性能をできるかぎり発揮すればいい、というものではない。

ウーファーとミッドバスはコーン型、ミッドハイとトゥイーターはホーン型。
同じホーン型でも2420と2405はダイアフラムの形状が異る。2405はリング状になっている。
ホーンの構造も、異る。
ウーファーとミッドバスのユニットも、コーン型でも、2121はコンケーブ型で、
センターキャップの形状が、通常型の2231Aとは異る。

これらのスピーカーユニットを、ストレートにそのまま鳴らし切ったとしたら、
システムとしてのまとまりは破綻とまではいかなくても、かなり難しい面が出てくるはずだ。

4343を、スピーカーシステムとして仕上げるにあたって、
多少音を甘くすることで音の鮮度感やストレートさは犠牲にしても、
トータルとしてのまとまりを重視したのではなかろうか。

このことが、4343が、素性的にはいいものをもつアンプであれば、
普及価格帯のプリメインアンプでもそこそこ鳴ってくれたことにもつながっているはずだ。

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