Date: 2月 4th, 2014
Cate: Claudio Abbado
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アバドのこと(その8)

アバドが、フルトヴェングラー/スカラ座の「ニーベルングの指環」のことを話したのか、
その前後に関してはまったく忘れてしまっている。

私にとって、このときのアバドのインタヴュー記事で、
このことがとても意外であり、だからこそいまも憶えている。

アバドもいつかはワーグナーを録音するだろうな、
どういうワーグナーになるんだろうか、
そんなことをぼんやりと想像していたところに、
フルトヴェングラーの「ニーベルングの指環」に熱狂している、という、
いわばアバドの告白のように感じられた、この発言は、だから意外だったのだ。

フルトヴェングラーの「ニーベルングの指環」に熱狂しているからといって、
アバドが「指環」を録音することになっても、同じような演奏をするとは思えない。

アバドが亡くなったのを知った時に、
アバドとアルゲリッチがピアノをはさんで坐っている写真を見つけた。
Googleで画像検索すれば、すぐに見つかる。

1970年代に撮られたであろう、この写真のふたりは若い。
そして、この写真は青を基調としている。
そのことが、この時代の、若いふたりの雰囲気にぴったりとあっている。

アバドは、そういう演奏をしてきた人である。
それにフルトヴェングラーの「指環」について語っていた記事を読んだのは、1980年代だったはず。

そういうアバドと、フルトヴェングラーのスカラ座との「指環」がうまく結びつかなかった。

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