ワイドレンジ考(その16)
40万の法則は、再生周波数帯域が、
可聴帯域(20Hz〜20kHz)よりも狭いときに成り立つもののように思える。
何の根拠もない推測だが、可聴帯域よりも狭い再生音を聴いているとき、
人は自然に、その再生音の中心周波数を認識しているような気がする。
ここで言う中心周波数とは再生音の上限と下限の積の平方根、
つまり40万の法則に従った再生帯域であれば、632.455Hzとなる。
トゥイーターを追加したり、より上の帯域まで伸びているトゥイーターに交換したり、のとき、
低域も伸ばさないと、高域が伸びた分、中心周波数が上にスライドする。
上限と下限の積が50万だと、707Hzになる。60万だと774Hz。80万だと894Hzだ。
下限が40Hzで上限が20kHzだと、その積は80万になる。
この中心周波数のズレが、中域が薄くなる、弱く感じる理由のような気がする。
ウェスタン・エレクトリックの100FやB&Oのポータブルラジオの再生周波数帯域はわからない。
でも、おそらく中心周波数は632Hz前後だと思う。