同軸型はトーラスなのか(その10)
無帰還アンプが、ひじょうに気になっていた時期もあった。
それでも勉強していくすぐにわかることだが、トランジスター・パワーアンプで、
終段がエミッターフォロワーだから、無帰還を謳っているアンプでも、
厳密には完全な無帰還アンプではない、ということ。
いわゆるローカル・フィードバックはかかっている。
無帰還アンプとは、一般的な、ループ・フィードバックを排除したもので、
このふたつのフィードバックは性格の違うものである。
NFBはなにも、いわゆる静特性だけを良くしていく技術ではない。
うまく使えば、アンプの安定化にも寄与する技術でもある。
それに、NFBによって、アンプのかたちも変っていく。
いわば、アンプの歴史はNFBの歴史、NFBの歴史はアンプの歴史、である。
とにかくNFBを無視して、アンプについては語れない。
そして「回」だ。
これがトーラスなのだから、NFB(ループ・フィードバックのほう)も、
トーラスという見方・捉え方ができるのではないだろうか。