同軸型はトーラスなのか(その11)
誰が付けたのはわからないが、「回路」ということばには、感心する。
電気的・電子的ではなく、この「回路」ということばからアンプを捉えれば、
NFBをかけた状態が、アンプとしての本来のあり方のように思えてくる。
現在の大半のアンプの初段は差動回路となっている。オペアンプにおいても、そうだ。
通常、アンプは入力と出力の位相が同じ、いわゆる非反転アンプとなっている。
アンバランス入力、アンバランス出力のアンプの場合、
出力は、信号を受けとるトランジスター(プラス側)ではなく、
対をなすトランジスター(マイナス側)の入力(ベース、FETであればゲート)にもどされる。
一方、入力と出力の位相が逆相となる反転アンプの場合は、というと、
出力は、入力信号を受けるトランジスターのベースにもどされる。
非反転アンプと反転アンプを見比べると、初段のトランジスターなりFETが、
前者はNFBのループから外れているし、後者ではループ内に収まっている。
かなり以前のラジオ技術誌で、オペアンプでの非反転動作と反転動作時の歪率を測定した記事があった。
いくつかのオペアンプで測定されていたように記憶しているが、例外なく反転アンプのほうが歪率が低い。