LINN EXAKTの登場の意味するところ(その5)
dbxの20/20は、ジャンルとしてはグラフィックイコライザーということになる。
オーディオコンポーネントのなかではグラフィックイコライザーは、
アンプ、スピーカーといった主役級からすれば、脇役のように受けとめられがちである。
ステレオサウンドの新製品紹介のページで20/20が取り上げられることはなかった。
かわりに、というわけでもないのだろうが、
ステレオサウンド 61号から63号まで、池田圭氏による「フラットをもってものごとの始まりとす」が載っている。
池田氏は秋葉原にあったヤマギワで「顧問のような役」をやられていた。
そのヤマギワで、20/20が眼に留り購入されている。
そのときのことをこう書かれている。
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20/20を一見してその凄味が判るような気がした。これは直感である。そして自分のこれまでのオーディオ体験から間違い無しと思う自惚れが拍車を加えた。よしやそれが無駄使いに終ろうとも悔いないだけの自信もあった。騙され透かされようと自業自得である。僕は清水の舞台から飛んだ。そして見事金的を射落した。
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このとき池田氏はおいくつだったのか。
伊藤先生と同世代だとすれば明治の生れなのだろうか。
とにかくわれわれの大先輩である。
その池田圭氏が、20/20を直感で導入されている。