電源に関する疑問(その20)
電源に関しては、インピーダンスをできるかぎり下げること、
レギュレーションをできるかぎりよくしていくことが、音を良くしてことだと言われていたし、
何の疑問ももたずに、それを信じていた。
実際の製品(とくにパワーアンプ)では、大容量の平滑用のコンデンサー、
厚みのある銅版による配線などが採用されている。
この方向からすると、電源回路に直列に1kΩの高抵抗を挿入するのは、理屈に合わないことになる。
けれど、あのウェストレックスが、あえて、こんなことをやっているのに、なんらかの意味があってのことだろう。
しかもA10はチョークインプットだから、電圧降下は大きい。さらに1kΩの抵抗で電圧を下げる。
電圧に関しては、かなりの無駄の出る回路でもある。
さらに不要と思われる抵抗を使うわけだから、その部品の選定も重要になるし、
発熱も大きいから、伊藤先生のアンプではホーロー抵抗が使われていた。
ワッテージの低い抵抗にくらべて、ホーロー抵抗の音のイメージは、あまりよくない。
できれば使いたくない、とも思っていた。
それでも、1kΩの抵抗は要らない、と短絡的な結論を出すでなく、まず、なぜなのか、を、いちど考えてみた。
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初めまして、楽しく拝見させていただいています。
電源インピーダンスについて
私見ですが、電源インピーダンスの低下に伴い、増幅器のf0が下がる気がします。聞きようでは、豊かでいい音かもしれませんが?
バッテリー電源の増幅器は、躍動感なく切れが悪い音がしそうです。
最近、真空管プリアンプの電源回路で実験した私の結論。
コンデンサーは、必要最小限
電源インピーダンスは、最大限
どんなもんでしょうか?
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渡辺さま
コメントありがとうございます。
電源回路も増幅回路も、いくつもの共振回路がぶら下がっていると捉えています。
それぞれに共振周波数があり、Qがあるとすれば、電源インピーダンスをむやみにさげてしまうと、
Qの変化が起こるのではないか、と考えています。
共振回路がひとつしか存在しないのであれば、その対策も比較的簡単なのかもしれませんが、
現実にはいくつも絡み合っていることでしょうから、どれが正解とはなかなかいいにくい面もあります。
が、それでも不用意に電源インピーダンスを、ただ下げればいいという考えは、見直すべきかと思います。
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楽しく拝見してます。
電源回路の直列抵抗について。
私もFETアンプで実験しました、整流平滑(20000μF)後に抵抗2Ω直列にいれ、そこにまた20000μFをいれそこからアンプへ給電させました。
抵抗をショートした場合と、特に高音の歪み感がちがいます、さわやかな音に変化しました。
考察
抵抗の後のリップル電圧波形がサイン波に近くなります(ただの平滑回路だとここの波形は三角波形となる)当然CRフィルタがありますから。
音声はアンプ出力とコンデンサの間を流れるわけですから、このコンデンサの電源リップル電流が減少してることにより、音に歪み感がなくなったと思います。
家庭で聞く音量の場合、電源のインピダンスより音声の流れるコンデンサを電源平滑用コンデンサと分離することにより静かな音アンプになっていると思います。
音声の流れるコンデンサにはリップ電流は流さない、音声電流にリップル電流(高調波はいっぱい)が重畳されると歪み感が出る、当然だと思いました。
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大川さま
コメント、ありがとうございます。
抵抗を直列に入れることによって、その抵抗の音がのるから音が変わるんだ、
と短絡的なことをいう人がいるかもしれませんが、
単に抵抗の音が附加されたという次元での音の変化ではないことは、試してみればすぐにわかるですし、
中には、これまた短絡的にシンプル・イズ・ベストを捉えている人は、
抵抗をいれるなんてもってのほかというかもしれません。
でも抵抗をいれることで、個々の部品の動作が、シンプルになることこそ大事なことであって、
思い込みをなくして音を聴けば……、と思う次第です。