オーディオにおけるジャーナリズム(編集部とは・その3)
今回のことは、間違いを書いてしまった筆者に全責任があるんじゃないか、
そのことで編集部を責めるのはおかしいんじゃないか、と思われるかもしれない。
編集者、その集合体である編集部はなぜ必要なのか。
いまの時代、電子書籍による出版が、やろうと思えば個人でもできるようになってきている。
そういう時代になってきたからこそ、
編集者、その集合体である編集部の役割がクローズアップされてくる、ともいえる。
たとえば今回のことがポッと出の新人筆者によることだとしたら、
次号から、その筆者を切ってしまえば、それで済むといえば済む。
だが今回のことは、そんな新人筆者によることではなく、少なくともベテラン筆者と呼べる人によることである。
だから、今回のことが起った、ともいえるだろう。
この人が書いていることだから、ずっとステレオサウンドに書いている人だから、
そんなことを理由にして、編集者は「読む」ことを放棄してしまったのではないのか。
とにかく今回のことが活字になり世の中に出廻った。
私が問題としている箇所を読んだ人、
それらの人の中でメーカーの技術者、読者の中でも基礎知識をきちんと持っている人ならば、
すぐに、そこにはでたらめが書かれていることに気づいている。
気づいた人は、どう思い、どう考えるだろうか。
そのことを編集者、その集合体である編集部は、どう受けとめるのか。