Date: 7月 1st, 2013
Cate: トランス
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トランスからみるオーディオ(その9)

器用な職人による、こういう針交換はすべてのMC型カートリッジで可能なのかといえば、
必ずしもそうとはいえない。

通常のカンチレバーのもつタイプのMC型カートリッジであっても、
カンチレバーの材質が非常に硬いもの、たとえはボロン製のカンチレバーでは非常に難しいときいている。

その点、アルミ製のカンチレバーは、アルミという材質の特性もあり、
針の差し替えが何度か行える、ときいている。

それにアルミ製のカンチレバーの場合、
針先を取り付ける孔を、針先よりもほんの少しだけ小さくして、
文字通り針先を押し込むことで、がっちりとカンチレバーに取り付けることができる。

ところがアルミよりも硬い材質では、こういう取り付け方はできず、
接着剤の力を借りることになる。

そうなるとダイアモンドの針とカンチレバーの間に、
それはわずかとはいえ接着剤が介在することになる。
アルミ製カンチレバーで接着剤を使わない場合には、
カンチレバーとダイアモンドが直接接触していることになる。

カンチレバーの材質として何が最良なのか。
内部音速の速さ、剛性の高さなどから判断すれば、
アルミニウムよりも優れた材質はいくつかある。
けれど実際のカートリッジとして、その製造方法まで含めて眺めてみると、
意外にもアルミ製カンチレバーは優秀といえる面が確実にある。

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