Date: 7月 1st, 2013
Cate: トランス
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トランスからみるオーディオ(その8)

MC型カートリッジはユーザーによる針交換は、ごく一部のメーカーの製品を除き、
基本的にはできない。
だからメーカーに針交換に出すことになる。

メーカーも針交換という言葉を使っていたし、ユーザーも販売店も使っていた。
そのためなのかどうかはわからないが、
MC型カートリッジの針交換を、ほんとうに針を交換するものだと思っていた人と会ったこともあるし、
インターネットで見ていても、そんな人がいないわけでもない。

いうまでもなくMC型カートリッジの針交換とは、メーカーによる新品との交換である。
針交換に出せば、新品が戻ってくるわけだ。

だから、オルトフォンのSPUの初期型を運良く入手できたとしても、
オルトフォンに、そのSPUを針交換に出してしまうと、新品のSPUになって戻ってくる。
おそらくSPU-Classicになってくるのだろう。

こう書くと、EMTのTSD15、XSD15はシリアルナンバーが同じ固体が戻ってきているのではないか、
こんな反論がありそうだが、EMTでも新品交換である。
ただ、なぜなのか理由ははっきりしないが、
EMTは針交換として戻ってきた固体と同じシリアルナンバーを新品に打って、
ユーザーの元に戻してくれる。

うれしいサービスといえばそういえるけれど、
それでも針交換とは新品交換である。

つまりビクターのMC-L1000をビクターに針交換に出そうとしても、
プリントコイルの製造ができないのであれば、針交換は原則としてできないことになる。

もっとも、器用な職人による針交換を行ってくれるところはある。
この場合の針交換は、カンチレバーに取り付けてあるダイアモンド針を抜いて、
そこに新しい針を埋めこむ作業によるものだ。

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