型番について(その16)
インターネットにはいろんな資料があって、
SPUの古いカタログをスキャンしたPDFもある。
これはアメリカの会社によるカタログということなのだが、
そこにはStylus Pressure………1 to 2 grams recommendedとある。
これにはちょっとばかり驚く。
極初期のSPUの実物はガラスケースごしに見たことはあっても、
触ったことも聴いたこともない。
極初期のSPUは、2gを切る針圧でもトレースできた、という話はどこかで耳にしたことがある。
こういうカタログが昔は出回っていて、いまはインターネットで見ることができるわけだから、
2gトレース説も説得力をもつようになる。
その一方でアメリカの会社によるものだから、誤植の可能性も高い、という説もある。
この手のことをインターネットで検索しはじめると、
以前とは比較にならないほどいろんなことがヒットして、おもしろいといえばおもしろいのだが、
だからといって、SPUの針圧は何gが正しいということがわかるわけではない。
標準針圧(もしくは最適針圧)のところに書かれている数値が、絶対ではない。
針圧計をもってきて、標準針圧:3gと書いてあったから、3gちょうどに針圧をセットしたからといって、
そのカートリッジ(SPU)がベストの状態で鳴ることは、可能性としてはきわめて低い。
いろんなことがうまくいって3gがベストということだってないわけではない。
それでも針圧というのは、微調整が要求される項目である。