Date: 6月 20th, 2013
Cate: 型番
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型番について(その8)

オルトフォンのSPUは、私がオーディオに関心をもちはじめた時には、
すでにロングセラーモデルだった。
シュアーのV15もロングセラーモデルという意味ではそういえなくもないけれど、
V15はTypeII、TypeIIIと改良・変更されていた。

なのにSPUはずっとSPUのままだった。
デンオンのDL103の歴史もながいけれど、SPUはそれよりも長い。
そんなカートリッジが、1970年代の後半においても現役カートリッジとして、
ほかのカートリッジでは得られない魅力を持っていることで、
少しばかりの欠点といえる面ももつものの、
私も、いつかはSPUと思っていた。

発売されたころからSPUはずっとSPUなのだから、
中身もそのまま変らずにいたのだと思っていた、ステレオサウンド 48号を読むまでは。

このころのステレオサウンドには、
井上先生と菅野先生による「ロングランコンポーネントの秘密をさぐる」という記事が連載されていた。
48号では、JBLのパラゴン、QUADのESLとともにオルトフォンのSPUがあった。

井上先生の発言は、だから少しばかりショックだった。
     *
井上 特に初期のSPUは、巻き枠のほぼちゅうしんにピボットがあったわけ。うしろのサスペンションストリングスが2重になっていまして、そこだけが細いから完全に回転運動をするという絶妙な構造になっていた。途中で合理化して一本になっちゃったけど、最近は初期のものに近い構造になっている。
     *
そしてSPUシリーズ/サスペンション機構の変遷という解説図が載っていた。
井上先生の発言だけでははっきりしないところが、この図を見れば一目瞭然だった。

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