トランスからみるオーディオ(その1)
先週、何気なくアクセスしたノグチトランスのウェブサイトのトップページに、
タンゴ・トランスが製造中止になる、と書かれていた。
このニュースを知った人による注文が殺到していて、たいへんなことになっているようだ。
だから、あえてリンクはしない。
タンゴ・トランスは、真空管アンプを以前から自作してきた者にとって、
ラックス、タムラとともに、主要パーツを製造してくれたありがたいメーカーであった。
ラックスがまずトランスの単売をやめた。
日本製のトランスは、だからタンゴとタムラになった。
もちろん、他にもいくつかトランスメーカーはあったし、いまも製造しているところもある。
けれど、無線と実験、ラジオ技術に掲載される自作記事に使われるトランスとなると、
タンゴとタムラばかり、といえなくもない。
タムラはいまも製造している。
けれど数年前に大幅な値上げをした。
この値上げの幅が大きすぎて、上杉アンプはタンゴ・トランスへと移行した。
とはいえ、タムラのトランスの値上げを一方的には批判しにくい。
いまの時代に、よく製造してくれている、という気持がやはりあるからだ。
タンゴ・ブランドを使っていた平田電機製作所が、何年前だったか、
もう忘れてしまっているから、けっこう経っている、といってもいいのだろうか、
廃業した時にタンゴ・トランスもなくなるかと思われたが、
アイエスオーがブランドを引き継ぎ、製造は継続された。
そのアイエスオーが今夏廃業することになった。
もうどこかがタンゴ・ブランドを引き継ぐことはないと思われる。
タンゴ・トランスは、もうじきなくなる。