オーディオにおけるジャーナリズム(その36)
「いま、そしてこれから語るべきこと」のなかで、川崎先生のことば「機能性、性能性、効能性」をかりて、
オーディオの効能性についてすこしばかり書いた。
この「機能性、性能性、効能性」は、オーディオそのものについてもあてはまるし、
個々のオーディオ機器について語る時にも「機能性、性能性、効能性」をどこかで意識していく必要があるだろう。
新製品紹介の記事は、どのオーディオ雑誌にもある。
そこでもっぱら語られるのは、音について、である。
読者がもっとも知りたいことも、新製品のスピーカーなりアンプが、
どういう音を聴かせてくれるのかに興味があることだろうし、
そこに重点がおかれるのも理解できないわけではない。
それでも、「音のよさ」とは、いわゆるそのオーディオ機器の「性能性」の部分でしかないともいえる。
性能性は、物理特性のことのみではない。音のよさも、ここには含まれるとすべきである。