同軸型はトーラスなのか(続×九・JBL SA600)
MM型カートリッジでもMC型カートリッジと同様にシェルリードのところ、
もしくはトーンアームの出力ケーブルのところで極性を反転させればいいんじゃないか、
そう思われる方もいるだろう。
けれどMM型カートリッジでは、原則としてここでの極性の反転は行えない。
MM型カートリッジはボディがアース側に接続されているからである。
MM型カートリッジは、一部の特殊なモデルを除き、
ヘッドアンプや昇圧トランスは必要としないから、この部分での反転も行えない。
アンプが正相アンプであるならば、そしてスピーカーシステムも正相であるならば、
システムの中に逆相のモノはひとつ(奇数)しか存在しないので、
システム全体の極性は逆相になってしまう。
アンプではどうかというと、意外にも反転アンプはいくつか存在してきている。
1980年代にアメリカから登場してきた真空管アンプの中には、
回路構成を極力単純化するために、真空管1段による増幅回路を採用したモデルがある。
有名なところではカウンターポイントのSA5、SA3、
それからミュージックリファレンスのRM5がそうなっている。
これらのフォノイコライザーは正相アンプなのだが、
ラインアンプが反転アンプなので、フォノ入力もライン入力も逆相となって出力される。
QUADの44も、実は反転アンプとなっている。