賞からの離脱(その23)
井上先生、菅野先生、瀬川先生の「私はベストバイをこう考える」は、それぞれのリンク先をお読みいただくとして、
ほかの方の見出しを拾っていく。
上杉佳郎:オーディオ機器に要求されるいくつかの条件を満たすコンポーネント製品こそがベストバイといえる
岡 俊雄:オーディオ製品の水準が上がってきた現在、さまざまな使われ方を考慮してベター・バイ的な選び方をした
菅野沖彦:〝最上の買物〟の条件は、価格、性能の差だけでなくそのもののオリジナリティと存在理由の有無にある
瀬川冬樹:魅力ある製品はもちろんのこと、現時点で水準以上のものはベストバイといえるのではないだろうか
山中敬三:ベストバリューこそを判断の大きなポイントにおきたいと思う
小説は最初のページから読み始め読み進める。
けれど雑誌となると、パラパラとめくって目に留まった(興味のある)ページから読んでいく、
そういう読み方もできるし、最初から読んでいくこともできる。
当時の中学三年生にとって、1500円の本は安い買物ではない。
それに次の号が出るまで三ヵ月ある。
あせることなく最初のページからじっくりと読み進めていけばいい、
そのほうがいい、と思っていた。
実際にそれがよかったわけである。
選者すべての人の「私はベストバイをこう考える」を読んだ後で、
実際にどういうコンポーネントが選ばれているのかを読んでいった。
43号では二部構成になっていた。
選者の投票数のほとんどを獲得したコンポーネント46機種のページが、まずあった。
このページの扉にはこうある。
「ステレオサウンド誌選定《’77ベストバイ・コンポーネント》」と。
このページのあとに広告がはさまり、「評論家の選ぶ’77ベストバイ・コンポーネント」のページが、
各ジャンルごとにはじまっていた。