audio wednesday (next decade) – 第三夜・Apogee Duetta Signature + 1.0(その2)
アンプも暖まっていない。
スピーカーも、どうなのかははっきりとはいえないが、
しばらく鳴らされていなかった感じを受けた。
それでも鳴ってきた音は、懐しいだった。
Duetta Signatureの下のモデル、Caliper signatureは真剣に導入を考えた。
このサイズならば、六畳間でもなんとかいける。
そうとうに心は動いていた。
それだけに懐しかったわけだ。
Hくんは、というと、彼にとってはアポジーはずっと憧れの存在だったそうだ。
そして、アポジーの音は初めてだ、ともいっていた。
リボン型スピーカーをつくっていたアポジー(Apogee Acoustics)は、1999年に解散している。
三十代のHくんにとっては、初めての対面なのは当然なのだろう。
3月6日、セッティングを手伝ってくれた数人だけ、アポジーのDuetta Signatureの音を聴いている。
二時間ほど鳴らしていただろうか。
鳴らし始めのころから音は次第に変ってくる。
このままDuetta Signatureを鳴らしたい気持も沸いてきたけれど、
そういうわけにはいかない。
それでサウンドラボに交替。
その音を聴いて、Hくんは思うところがあったようだ。
それもあって、4月3日のaudio wednesdayでも鳴らすことになった。
アンプはクレルのKMA200のまま。
セッティングは、3月6日はサウンドラボの位置だったが、
4月は思うところあって、大きく変えるかもしれない。
実際は音を聴いての判断になるから、こうするとははっきりとはいえない。
どういうセッティングになっているかは当日の楽しみにしていただきたい。
アポジーをステレオサウンドの試聴室で聴いていたころ、
私は二十代だった。いまでは六十を超えてしまった。
それだけに、当時のモデルを鳴らすにあたって、昔とは違う。