ブラインドフォールドテストとオーディオ評論(その2)

明日(3月5日)発売のステレオサウンド 230号の特集は、
小型スピーカーシステムのブラインドフォールドテストである。

オーディオマニアのなかには、ブラインドフォールドテストこそが絶対で、
それ以外の試聴結果を絶対に認めない人がいる。
そういう人は、ブラインドフォールドテストをやらないオーディオ評論家も信用しない、らしい。

それはそれでかまわないけど、
ブラインドフォールドテストは、決して絶対的なものではない。

その1)ですでに書いているように、
ブラインドフォールドテストで試されているのは、鳴らし手の技倆である。

ブラインドフォールドテストは試聴を行う側のオーディオの力量・技倆が、徹底して問われる。
つまりステレオサウンドにおいては、ステレオサウンド編集部の力量が問われるわけで、
試聴者の力量と同等か、それ以上でなければ、厳密な意味でのブラインドフォールドテストは成立しない。

そのことを理解せずに、ブラインドフォールドテストを絶対視している人は、
それこそ強烈なバイアスを自分にかけていることにもなる。

ブラインドフォールドテストで聴いているのは、何か。
ここのところをはっきりと読み手に伝えなければ、
ブラインドフォールドテストは、あるところ編集部、評論家の自己満足なところがあるし、
一部の読者に媚びているともいえよう。

だからといってブランドフォールドテストを全面的に否定はしない。
正しく、厳密にやれればであるが、これが非常に難しく、
その難しさを理解していない人のほうが、ブランドフォールドテストこそが……、といっている。

そして別項「オーディオ評論家の才能と資質(その6)」で、
助手席に座っているだけで車の評論ができるわけがない、と書いた。

ブラインドフォールドテストは、それに近い性質も持っている。

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