facebookページ機能を利用して「オーディオ彷徨」となづけた岩崎先生のページを公開していることは、
ここで何度か書いているとおりで、その「オーディオ彷徨」では岩崎先生の文章だけでなく写真も公開している。
主にスイングジャーナルでの試聴風景の写真で、カラー写真はほんのわずかでほぼすべてモノクロといっていい。
しかも紙質のよくないモノクロページに掲載された写真をスキャンして、というものだから、
最初からクォリティは期待できないことはわかっていた。
紙が薄いので裏側の写真や文字が透けてスキャンされることもあるし、粒子も粗い。
それでも写真が伝えてくれるものが、ある。
だから、公開している。
ステレオサウンド編集部にいたころは、実は試聴風景の写真は、
私が担当しているページには、あまり載せたくない、というのが本音だった。
正直、試聴風景の写真の必要性をほとんど感じていなかった。
それがいまではスイングジャーナルの試聴風景の写真が(それが粗い、クォリティの高くない写真であっても)、
伝えてくれるものに、試聴風景の写真の必要性を強く感じている次第である。
試聴風景の写真も形だけでは面白くない。
ほんとうに試聴中のワンショットであれば、そこから読み取れることは意外にも多い。
だからせっせとスイングジャーナルに掲載された写真をスキャンしているところである。
とはいえ、やはり写真が粗い。お世辞にも美しい写真とはいえない。
せめて元の紙焼き写真をスキャンできればずっとクォリティは高くなるけれど、それは無理。
それにスキャンすれば、どんなに注意深く、その作業を行っても、
スイングジャーナルに載っている写真のクォリティよりも良くなることはない、と思っていた。
そう思い込んでいたから、パソコンのディスプレイで「オーディオ彷徨」の写真を見ていた。
iPhoneで見ることは、実はつい先日までしてこなかった。
iPhone 4SのディスプレイはAppleがRetinaディスプレイと呼ぶ、高い解像度をもつものだ。
「オーディオ彷徨」で公開している写真は、一応300dpiでスキャンし、そのまま公開している。
そうやって公開している写真をretinaディスプレイで見ると、
元の、スイングジャーナルに掲載された写真を見るよりも、美しく感じられる。
意外だったけれど、嬉しい驚きでもあった。
Retinaディスプレイの解像度の高さと、液晶ディスプレイのバックライトの存在によるものだろう。
iPhoneだからディスプレイそのものは大きくない、けれどRetimaディスプレイによって、
「オーディオ彷徨」の写真を見るのが楽しくなった。
いま発売されているiPadもRetinaディスプレイになっている。
まだ、新しいiPadで「オーディオ彷徨」の写真を見てはいない。
けれど期待通りの美しさだ、と思っている。
新しいiPadのディスプレイ品質でもう充分というわけではないが、
やっとここまで液晶ディスプレイが来た、という感じがしている。
それも片手でもてるiPadで、この高解像度を実現している。
今年の暮までには、また電子書籍の形で公開を予定している本がある。
いままではePUB形式で公開してきたけれど、次からはiPadのみに、あえて絞っていく。
プラットホームを限定するなんて、時代に逆行している、と思われる人のほうが多いだろう。
でも、電子書籍をよりよいものにしていくには、プラットホームを限定していく必要性を、
私はいまのところ強く感じている。
(といいながらも、私自身、まだ新しいiPadにはしていない……)