Archive for category 瀬川冬樹

Date: 7月 10th, 2011
Cate: 瀬川冬樹

確信していること(その11)

「コンポーネントステレオの世界 ’80」に登場しているProfessional BOX 2500の外観は地味な印象で、
好感の持てる、音が気に入れば手に入れたい、と思わせてくれる。
なのにステレオサウンド 54号に登場のProfessional 2500は安っぽい感じが漂っていて、
しかも、なぜこんなことをするんだろうという外観で、
これでは音が気に入ったとしても、目の前には置きたくない。
もし使うのであれば、サランネットは絶対に外さない。
そう思わせるくらい、なぜこうまで外観を下品に変えてしまっている。

Professional BOX 2500は木目のエンクロージュアに、ウーファー、スコーカー、トゥイーター、
それぞれのユニットのまわりのアルミ製と思われるフランジで、
ユニットの取りつけビスはいっさい目につかないようになっている。

ウーファーは19cm口径のコンケーブ型で、
下側のウーファーの横に、グラフが表示されているネームプレートがあり、
これにはここまで大きくしなくてもいいだろうに……、
そのぐらいは思うものの、嫌みな自己主張の感じられない仕上りとなっている。
これだったらサランネットをつけたままでも、外した状態でも、目の前にあっても気になることはない。

それなのにProfessional 2500では一変している。
使用ユニットに基本的な変更はないものの、ウーファーの外観が大きく変っている。
コンケーブ型からコーン型になり、コーン中央は白い縁取りにマークが表示されている。
それだけではない。SUPER HIFI BOX 2500a PROFESSIONAL 120/80 WATT の文字が、
フレームを一周するように、3度くり返されている。
もちろん下側のウーファーの横にはネームプレートがある。
なのにこんなに型番を連呼しなくてもいいだろうに、と厭味のひとつもいいたくなる。

店頭に目立つようにとのことだろうが、これを買った人にまで、常時型番を訴えかける必要はないのに。
買ってくれた人のことを、まるで考えていない、としか言い様がない。

Professional BOX 2500では隠してあったユニット取りつけネジは、
Professional 2500ではメッキが施され、ユニットのフレームが黒なだけに目立つようになっている。
エンクロージュアの仕上げも、モノクロ写真で見るかぎり、素っ気ない黒。

まったく理解できない変更である。

Date: 7月 9th, 2011
Cate: 瀬川冬樹

確信していること(その10)

瀬川先生は、グルンディッヒのProfessional 2500を聴かれたのは、ステレオサウンド 54号が最初ではない。
その前に、ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’80」で、予算50万円の組合せで、
このグルンディッヒのスピーカーシステムを使われている。
でも、これも最初ではなく、この記事の中にあるように、別の雑誌の企画で聴かれたのが最初である。

その雑誌とは、おそらくレコード芸術のことだろう。
このとき、レコード芸術で瀬川先生は連載で、「音と風土を探る」という記事を2年ほど続けられている。
連載のタイトルからもわかるように、この連載では毎号国別にスピーカーシステムを集めて試聴するというもので、
ドイツ製のスピーカーシステムが集められた回に、グルンディッヒが登場したのだろう。
あいにく、レコード芸術の連載は数号分しか手もとになく、ドイツのスピーカーシステムの号は未読だ。

グルンディッヒは、レコード芸術の取材では、はじめたいして期待もせずに聴いた、とある。
それでも、鳴らすうちにその素晴らしさに驚いて、今度の企画(コンポーネントステレオの世界 ’80)で、
ぜひ聴きなおしてみようと、ノミネートした、と語られている。

ということは、おそらくステレオサウンド 54号のスピーカーの特集に登場しているのも、
瀬川先生の推しがあったからなのかもしれない。

厳密には、54号のグルンディッヒは、Professional 2500で、
「コンポーネントステレオの世界 ’80」のグルンディッヒは、Professional BOX 2500となっている。
単に表記の違いだけのようにも思われるが、写真を見ると基本的には同じスピーカーシステムではあるが、
見た目の印象はずいぶん異る印象を与えるだけの違いが両者にはある。

Date: 7月 3rd, 2011
Cate: PM510, Rogers, 瀬川冬樹, 瀬川冬樹氏のこと

瀬川冬樹氏のこと(ロジャース PM510・続補足)

アルテックの620Bの組合せの中に、そのことは出てくる。

620Bの組合せをつくるにあたって、
机上プランとしてアルテックの音を生かすには新しいマッキントッシュのアンプだろう、と考えられた。
このころの、新しいマッキントッシュとはC29とMC2205のことだ。
ツマミが、C26、C28、MC2105のころから変っている。
C29+MC2205の組合せは、ステレオサウンドの試聴室でも、瀬川先生のリスニングルームでも、
「ある時期のマッキントッシュがもっていた音の粗さと、身ぶりの大きさとでもいったもが、
ほとんど気にならないところまで抑えこまれて」いて、
マッキントッシュの良さを失うことなく「今日的なフレッシュな音」で4343を鳴らしていた。

なのに実際に620Bと組み合わせてみると、うまく鳴らない。
「きわめてローレベルの、ふつうのスピーカーでは出てこないようなローレベルの歪み、
あるいは音の汚れのようなもの」が、620Bでさらけ出されうまくいかない。

瀬川先生も、4343では、C29+MC2205の
「ローレベルのそうした音を、♯4343では聴き落して」おられたわけだ。

620Bの出力音圧レべは、カタログ上は103dB。4343は93dB(どちらも新JIS)。
聴感上は10dBの差はないように感じるものの、620Bは4343よりも高能率のスピーカーである。
ロジャースのPM510は、4343と同じ93dBである。

つまり4343では聴き落しがちなC29+MC2205のローレベルの音の粗さの露呈は、
スピーカーシステムの出力音圧レベルとだけ直接関係しているのではない、ということになる。

これはスピーカーシステムの不感応領域の話になってくる。
表現をかえれば、ローレベルの再現能力ということになる。

PM510は4343ほど、いわゆるワイドレンジではない。
イギリスのスピーカーシステムとしてはリニアリティはいいけれど、
4343のように音がどこまでも、どこまでも音圧をあげていけるスピーカーでもない。
どちらが、より万能的であるかということになると4343となるが、
4343よりも優れた良さをいくつか、PM510は確かに持っている。

このあたりのことが、927Dst、A68、A740の再評価につながっているはずだ。

Date: 7月 3rd, 2011
Cate: PM510, Rogers, 瀬川冬樹, 瀬川冬樹氏のこと

瀬川冬樹氏のこと(ロジャース PM510・補足)

レコード芸術では、4343をスチューダーA68やルボックスのA740で鳴らすと、
4343の表現する世界が、マーレレビンソンの純正組合せで鳴らしたときも狭くなる、と発言されている。

このことだけをとりあげると、ロジャースのPM510の表現する世界も、4343と較べると狭く、
だから同じ傾向のA68、A740とうまく寄り添った結果、うまく鳴っただけのことであり、
スピーカーシステムとしての性能は、4343の方が優れている、と解釈される方もいるかもしれない。

4343とPM510では価格も違うし、ユニット構成をふくめ、投入されている物量にもはっきりとした違いがある。
PM510はイギリスのスピーカーシステムとしては久々の本格的なモノであったけれど、
4343やアメリカのスピーカーシステムを見慣れた目で見れば、
あくまでもイギリスのスピーカーにしては、ということわりがつくことになる。

だがスピーカーシステムとしての性能は……、という話になるとすこし異ってくる。

BBCモニター考」の最初に書いたことだが、
私の経験として、4343では聴きとれなかった、あるパワーアンプの音の粗さをPM510で気がついたことがあった。

「BBCモニター考」ではそのパワーアンプについてはっきりと書かなかったが、
このアンプはマッキントッシュのMC2205だった。
MC2205以前のマッキントッシュのパワーアンプならまだしも、MC2205ではそういうことはないはず、
と思われるかもしれない。私もMC2205にそういう粗さが残っていたとは思っていなかった。

しかもそのローレベルでの音の粗さが4343では聴きとれなかったから、
PM510にしたとき、MC2205の意外な程の音の粗さに驚き戸惑ってしまった。

そのときは、だれも気がついていないことを発見したような気分になっていた。
でもいま手もとにある、ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’80」の中で、
瀬川先生がすでに、MC2205のローレベルの音の粗さは、すでに指摘されていた。

Date: 7月 2nd, 2011
Cate: PM510, Rogers, 瀬川冬樹, 瀬川冬樹氏のこと

瀬川冬樹氏のこと(ロジャースPM510・その5)

ロジャースのPM510も、スペンドールのBCII、KEFのLS5/1A、105、セレッションのDitton66、
これらは大まかにいってしまえば、同じバックボーンをもつ。
開発時期の違いはあっても、スピーカーシステムとしての規模もそれほどの違いはない。

なのにBCII、Ditton66、それにLS5/1Aだけでは……、
PM510が登場するまではEMTの927Dstを手放そう、と思われたのはなぜなのか。
スチューダーのA68にしてもそうだ。
PM510が登場してきて、A68の存在を再評価されている。
なぜ、LS5/1A、BCII、Ditton66といったスピーカーシステムでは、
そこまで(再評価まで)のことを瀬川先生に思わせられなかったのか。

一時は手放そうと思われた927Dst、
アメリカのアンプばかりメインとして使ってこられた瀬川先生にとってのA68、
このふたつのヨーロッパ製のオーディオ機器の再評価に必要な存在だったのがPM510であり、
実はこのことが、瀬川先生に「PM510を『欲しい!!』と思わせるもの」の正体につながっているはずだ。

そして、このことは、このころから求められている音の変化にもつながっている、と思っている。

Date: 7月 2nd, 2011
Cate: PM510, Rogers, 瀬川冬樹, 瀬川冬樹氏のこと

瀬川冬樹氏のこと(ロジャース PM510・その4)

瀬川先生はスピーカーに関しては、システム、ユニットどちらもヨーロッパのモノを高く評価されている。
それに実際に購入されている。

音の入口となるアナログプレーヤーもEMTの930stを導入される前は、
トーレンスのTD125を使われているし、カートリッジに関してもオルトフォン、EMT、エラックなど、
こちらもヨーロッパ製のモノへの評価は高い。

けれどアンプとなると、すこし様相は違ってくる。
アンプは自作するもの、という考えでそれまでこられていた瀬川先生が最初に購入された既製品・完成品のアンプは、
マランツのModel 7であり、その#7の音を聴いたときの驚きは、何度となく書かれている。
このとき同時に購入されたパワーアンプはQUADのIIだが、こちらに対しては、わりとそっけない書き方で、
自作のパワーアンプと驚くような違いはなかった、とされている。

そして次は、JBLのプリメインアンプSA600の音の凄さに驚かれている。
SA600を聴かれたの、ステレオサウンドが創刊したばかりのことだから、1966年。
このとき1週間ほど借りることのできたSA600を、
「三日三晩というもの、仕事を放り出し、寝食を切りつめて、思いつくレコードを片端から聴き耽った」とある。

このSA600のあとにマッキントッシュのMC275で、アルテックの604Eを鳴らした音で、
お好きだったエリカ・ケートのモーツァルトの歌曲を聴いて、
この1曲のために、MC275を欲しい、と思われている。

それからはしばらくあいだがあり、1974年にマークレビンソンのLNP2と出合われた。
そしてLNP2とSAEのMark2500の組合せ、LNP2とML2の組合せ、ML6とML2Lの組合せ、となっていく。
SAEが出るまでは、パイオニアのExclusive M4を使われた時期もある。

瀬川先生のアンプの遍歴のなかに、ヨーロッパ製のアンプが登場することはない。
KEFのLS5/1Aの音に惚れ込みながらも、
ことアンプに関しては、惚れ込む対象となるヨーロッパ製のアンプはなかったとしか思えない。

Date: 7月 1st, 2011
Cate: PM510, Rogers, 瀬川冬樹, 瀬川冬樹氏のこと

瀬川冬樹氏のこと(ロジャース PM510・その3)

ステレオサウンド 56号、レコード芸術11月号(1980年)のころ、
瀬川先生は世田谷・砧にお住まいだった(成城と書いている人がいるが、砧が正しい)。

その砧のリスニングルームには、メインのJBL4343のほかに、
瀬川先生が「宝物」とされていたKEFのLS5/1A以外にもイギリスのスピーカーシステムはいくつかあった。
スペンドールのBCII、セレッションのディットン66、ロジャースのLS3/5A、
写真には写っていないが、ステレオサウンド 54号ではKEFの105を所有されていると発言されている。

それにスピーカーユニットではあるが、グッドマンのAXIOM80も。
イギリス製ではないけれどもドイツ・ヴィソニックのスピーカーシステムも所有されていた。

これらのスピーカーシステムを鳴らすときに、どのアンプを接がれて鳴らされたのか。
ステレオサウンド別冊「続コンポーネントステレオのすすめ」に掲載されているリスニングルームの写真では、
アンプ関係は、マークレビンソン、SAE・Mark2500、アキュフェーズC240、スチューダーA68がみえる。

アナログプレーヤーは、EMTの930stと927Dst、それにマイクロのRX5000+RY5500。
アナログプレーヤーは、マイクロがメインとなっていたのか。

ステレオサウンド 56号、レコード芸術11月号を読んでいると、そんなことを思ってしまう。
もうEMTのプレーヤーもスチューダーのパワーアンプも、もう出番は少なくなっていたのか、と。

ロジャースのPM510は、EMTの魅力を、ヨーロッパ製のアンプの良さを、
瀬川先生に再発見・再認識させる何かを持っていた、といえまいか。

聴感上の歪の少なさ、混濁感のなさ、解像力や聴感上のS/N比の高さ、といったことでは、
EMTでは927Dstでも、マイクロの糸ドライヴを入念に調整した音には及ばなかったのかもしれない。
アンプに関しては、アメリカ製の物量を惜しみなく投入したアンプだけが聴かせてくれる世界と較べると、
ヨーロッパ製のアンプの世界は、こじんまりしているといえる。

そういう意味では開発年代の古さや投入された物量の違いが、はっきりと音に現れていることにもなるが、
そのことはすべてがネガティヴな方向にのみ作用するわけでは決してなく、
贅を尽くしただけでは得られない世界を提示してくれる。

なにもマークレビンソンをはじめとする、アメリカのアンプ群が、
贅を尽くしただけで意を尽くしていない、と言いたいわけではない。
中には意を尽くしきっていない製品もあるが、意の尽くした方に、ありきたりの表現になってしまうが、
文化の違いがあり、そのことは音・響きのバックボーンとして存在している。

Date: 6月 30th, 2011
Cate: PM510, Rogers, 瀬川冬樹, 瀬川冬樹氏のこと

瀬川冬樹氏のこと(ロジャース PM510・その2)

レコード芸術の1980年11月号に、PM510の記事が載っている。
瀬川先生と音楽評論家の皆川達夫氏、それにレコード芸術編集部のふたりによる座談会形式で、
PM510とLS5/8の比較、PM510を鳴らすアンプの比較試聴を行なっている。
PM510というスピーカーシステム、1機種に8ページを割いた記事だ。

比較試聴に使われたアンプの組合せの以下の通り
QUAD 44+405
アキュフェーズ C240+P400
スレッショルド SL10+Stasis2
マークレビンソン ML6L+ML2L
マークレビンソン ML6L+スレッショルド Stasis2
マークレビンソン ML6L+スチューダー A68
マークレビンソン ML6L+ルボックス A740

この座談会の中にいくつか興味深いと感じる発言がある。
ひとつはマークレビンソン純正の組合せで鳴らしたところに出てくる。
     *
しばらくロジャース的な音のスピーカーから離れておりまして、JBL的な音の方に、いまなじみ過ぎていますけれども、それを基準にして聴いている限り、EMTの旧式のスタジオ・プレーヤーというのは、もうそろそろ手放そうかなと思っていたところへ、このロジャースPM510で、久々にEMTのプレーヤーを引っ張り出して聴きましたが、もうたまらなくいいんですね。
     *
ステレオサウンド 56号の記事をご記憶の方ならば、そこに927Dst、それにスチューダーのA68の組合せで、
一応のまとまりをみせた、と書かれてあることを思い出されるだろう。

このレコード芸術の記事では、スチューダー、ルボックスのパワーアンプについては、こう語られている。
     *
このPM510というスピーカーが出てきて、久々にルボックス、スチューダーのアンプの存在価値というものをぼくは再評価している次第です。
(中略)JBLの表現する世界がマークレビンソンよりスチューダー、ルボックスでは狭くなっちゃうんですね。ところがPM510の場合にはルボックスとスチューダー、それにマークレビンソンとまとめて聴いても決定的な違いというようなものじゃないような気がしますね。コンセプトの違いということでは言えるけれども、決してマークレビンソン・イズ・ベストじゃなくて、マークレビンソンの持っていないよさを聴かせる。たとえばスレッショルドからレビンソンにすると、レビンソンというのは、アメリカのアンプにしてはずいぶんヨーロッパ的な響きももっているアンプだというような気がするんですけれども、そこでルボックス、スチューダーにすると、やっぱりレビンソンも、アメリカのアンプであった、みたいな部分が出てきますね。

Date: 6月 29th, 2011
Cate: PM510, Rogers, 瀬川冬樹, 瀬川冬樹氏のこと

瀬川冬樹氏のこと(ロジャース PM510・その1)

瀬川先生の「音」を聴いたことのない者にとって、
その「音」を想像するには、なにかのきっかけ、引きがねとなるものがほしい。
それは瀬川先生が書かれた文章であり、瀬川先生が鳴らされてきたオーディオ機器、
その中でもやはりスピーカーシステムということになる。

となると、多くの人がJBLの4343を思い浮べるだろう。
4341でもいいし、最後に鳴らされていた4345でもいい。
ただ、JBLのスピーカーシステムばかりでは、明らかに偏ってしまった想像になってしまう危険性が大きい。

どうしても、そこにはイギリス生れのスピーカーシステムの存在を忘れるわけにはいかない。

ここに書いているように、瀬川先生はロジャースのPM510に惚れ込まれていた。

瀬川先生ご自身が、PM510を「欲しい!!」と思わせるものは、一体何か? と書かれているのだから、
第三者に、なぜそれほどまでにPM510に惚れ込まれていたのか、のほんとうのところはわかるはずもない。
それでも私なりに、瀬川先生の書かれたものを読んでいくうちに、そうではないのか、と気づいたことはある。

Date: 3月 10th, 2011
Cate: 瀬川冬樹

確信していること(その9)

グルンディッヒ・Professional 2500の、瀬川先生の評価菅野先生の評価がどう違うのか、は、
リンク先をお読みいただくとして、このふたりの評価は違いについては、
ステレオサウンド 54号の座談会の中でもとりあげられている。

54号での試聴は、3人の合同試聴ではなく、ひとりでの試聴である。
だから菅野先生のときのProfessional 2500の音と、瀬川先生が鳴らされたときのProfessional 2500の音が、
違っている可能性もあるわけだが、それについては座談会のなかで、
編集部の発言として、
「このスピーカに関しては、三人の方が鳴らされた音に、それほど大きな違いはなかったように思うのです」とある。
だから評価のズレが、鳴っていた音の違いによるものではない、といってもいいだろう。
となると、ふたりの聴き方の違いによる、といえるわけだが、ただそれだけで片付けられることでもない気がする。

Date: 3月 9th, 2011
Cate: 瀬川冬樹

確信していること(その8)

瀬川先生の「本」づくりの作業において、書かれたものはすべておさめたいと思っている。
試聴記も含めて、だ。

試聴記といっても、すべてが30年以上昔のものばかりであり、
いま「本」に収録することにどれだけの意味があるのか、という声も実はあった。

でも実際に入力作業を続けていると、試聴記の中に意外な発見があり、おろそかにできない。
たしかにいま現在、その試聴記は試聴記としてはほとんど役に立たない。
でも、瀬川先生が何を求められていたのかは、試聴記から伝わってくることが多い。

なかには意外なモノの試聴記が,思わぬヒントを与えてくれる。
ステレオサウンド 54号に載っているグルンディッヒ・Professional 2500がそうだ。

54号では、瀬川先生のほかに、菅野先生、黒田先生の試聴記が載っている。
Professional 2500に高い評価を与えられているのは、瀬川先生ひとり。
菅野先生の評価は、かなり低い。

ここに、瀬川先生の求められている音、
つまりこの項の(その1)に書いたことが顕れている。

Date: 2月 5th, 2011
Cate: イコライザー, 瀬川冬樹

私的イコライザー考(その8・続々続々補足)

瀬川先生が、1966年12月に発行された ’67ステレオ・リスニング・テクニック(誠文堂新光社)で、
ビクターのPST1000について、こんなふうに書かれている。
     *
コントロール・アンプとしてこれくらい楽しいものは他にあるまい。使いはじめて間がないので批評めいたことはさしひかえたいが、小生自身はこのアンプを一種の測定器としても使いたいと考えているので、いずれ何らかの発見があると思う。
     *
PST1000は、当時、ビクターがSEA(Sound Effect Amplifier)コントローラーとして発売していた、
7素子のグラフィックイコライザー機能を搭載したコントロールアンプのこと。
7つの中心周波数は、60、150、400、1k、2.4k、6k、15kHz。

いまの感覚からすると7素子はローコストのアンプにでもついてくるようなものととらえてしまうが、
PST1000は、145,000円していた。
マランツの7Tが150,000円、マッキントッシュのC22が172,000円の時代のことだ。

瀬川先生の発言は、コントロールアンプとしてではなく、
グラフィックイコライザーとしてとらえられてのもの、と思う。
このあと、グラフィックイコライザーを積極的には使われていないはずだし、
上の発言は、あくまでも1966年当時のことだから、時代とともに変化していった可能性もある。

もうそのへんのことは確かめようがないけれど、
グラフィックイコライザーを積極的に使うと言う選択も、導入しないという選択も自由だ。
どちらが正解というわけではない。
それでも、一度はグラフィックイコライザーを徹底的に使ってみてほしい、といいたい。

そこには、瀬川先生も言われているように「何らかの発見があると思う」からだ。

Date: 1月 14th, 2011
Cate: 「本」, 瀬川冬樹

瀬川冬樹氏の「本」(さらに、お願い)

瀬川先生の「」第三弾では、多くの方々の証言をいただきたいと思っています。

たとえばリスニングルームに瀬川先生を招かれた方、
瀬川先生のリスニングルームに行かれたことのある方、
オーディオ販売店などのイベントで、瀬川先生と話された方、
ごく短な断片的なことでも、瀬川先生のどの時代についてもでもかまいません、
少しでも多くのことを私自身が知り、それを伝えていきたいと考えていますので、
ぜひ、ご連絡くださいますよう、お願いいたします。

Date: 1月 12th, 2011
Cate: 「本」, 瀬川冬樹

瀬川冬樹氏の「本」(お願い)

瀬川先生の「」の第三弾は、これまでとは違い、
未発表原稿やスケッチ、メモの公開とともに、取材も行い、記事も何人かの方にお願いし、
私自身も書く内容とします。

その取材のひとつとして、瀬川先生が、新宿西口にあったサンスイのショウルームで毎月行われていた
「チャレンジオーディオ」についての取材も考えています。

当時、このショウルームでのイベントの担当をされていた西川さんを招いて、
当時、「チャレンジオーディオ」に行かれていた方々とのやりとりを、ぜひ聞いてみたいと考えています。

私自身は、当時はまだ実家住まいでしたので、「チャレンジオーディオ」に行きたいと思っていても、
結局、一度も行けずに終ってしまいました。

ですから、私自身は、西川さんから当時のことを、引き出していくのが無理ですので、
ここで、当時、通われた方々に、ぜひお集まりいただき、お話しいただきたいと考えた次第です。

場所は四谷三丁目に確保しました。
何人の方が集まってくださるかによって、こまかいことを決めていきます。

当時「チャレンジオーディオ」に行かれていて、取材に協力してくださる方は、
私宛に、メールにてご連絡ください。

よろしくお願いいたします。

Date: 1月 10th, 2011
Cate: 「本」, 瀬川冬樹

瀬川冬樹氏の「本」(第2弾)

瀬川先生の「」の第2弾を公開しました。

前回同様、今回もEPUB形式です。
前回のものを増強したものです。
ですから、ファイル名もまったく同じです。
前回よりも、iPadでの表示では約900ページ増えています。

今回はアップロード関係上、zipで圧縮してあります。
なので解凍してください。

iPad、iPhoneで、前回の「本」をインストールされている方は、
iPad、iPhone上の「本」、それからiTunes上の「本」を削除した上で、
ダウンロードし解凍したファイルを、iTunesにドラッグして、インストールお願いします。
(FireFoxで開けないという報告がありましたので、手直ししたものを新たに公開しました。
 23時以前にダウンロードされた方は、再度ダウンロードをおすすめします。)

次回の更新・公開日はまだ決めておりませんが、
今回の「本」から、ドネーションブックにさせていただきます。

ドネーションブックですから、前回の「本」同様、無料でご覧いただけます。支払いの必要はありません。

ですが、これからの更新作業を確実に、より早く、より良いものにするためには、皆さまが必要です。
もしよろしければ、できる範囲の額のご寄付を、どうかご検討ください。

よろしくお願いいたします。

ご連絡は、私あてにメールでお願いいたします。