Date: 2月 5th, 2011
Cate: イコライザー, 瀬川冬樹
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私的イコライザー考(その8・続々続々補足)

瀬川先生が、1966年12月に発行された ’67ステレオ・リスニング・テクニック(誠文堂新光社)で、
ビクターのPST1000について、こんなふうに書かれている。
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コントロール・アンプとしてこれくらい楽しいものは他にあるまい。使いはじめて間がないので批評めいたことはさしひかえたいが、小生自身はこのアンプを一種の測定器としても使いたいと考えているので、いずれ何らかの発見があると思う。
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PST1000は、当時、ビクターがSEA(Sound Effect Amplifier)コントローラーとして発売していた、
7素子のグラフィックイコライザー機能を搭載したコントロールアンプのこと。
7つの中心周波数は、60、150、400、1k、2.4k、6k、15kHz。

いまの感覚からすると7素子はローコストのアンプにでもついてくるようなものととらえてしまうが、
PST1000は、145,000円していた。
マランツの7Tが150,000円、マッキントッシュのC22が172,000円の時代のことだ。

瀬川先生の発言は、コントロールアンプとしてではなく、
グラフィックイコライザーとしてとらえられてのもの、と思う。
このあと、グラフィックイコライザーを積極的には使われていないはずだし、
上の発言は、あくまでも1966年当時のことだから、時代とともに変化していった可能性もある。

もうそのへんのことは確かめようがないけれど、
グラフィックイコライザーを積極的に使うと言う選択も、導入しないという選択も自由だ。
どちらが正解というわけではない。
それでも、一度はグラフィックイコライザーを徹底的に使ってみてほしい、といいたい。

そこには、瀬川先生も言われているように「何らかの発見があると思う」からだ。

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