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Date: 11月 21st, 2022
Cate: 1年の終りに……

2022年をふりかえって(その4)

別項で書いているように、今年はまずGASのTHAEDRAがやって来た。
それからラックスキットのKMQ60(50CA10のプッシュプル)と、
50CA10のシングル自作アンプが夏にやって来た。

そして昨日、終のスピーカー(Troubadour 40と4PI)がやって来た。

けれど、今年やって来たのは、これだけではなく、ここでは何が来たのかはあかさないけれど、
私自身、ちょっと驚くようなモノが来たし、他にもいくつかやって来た。

どうしたんだろう、今年は? 
そういいたくなるほど、オーディオ機器が集まってきている。

そろそろ本気で引っ越しを考えはじめているところだ。

Date: 11月 21st, 2022
Cate: German Physiks

ジャーマン・フィジックス Troubadour 40のこと(その2)

井上先生は、よくいわれていた、
自分の腕の未熟さをスピーカーのせいにするな、と。

ジャーマン・フィジックスのTroubadour 40に関しては、
Troubadour 80を含めて、菅野先生のリスニングルームで何度もじっくり聴く機会に恵まれた。

ここまでオーディオは達することができるのか──、
そう素直におもえるほどの音を聴いているから、
Troubadour 40(80)の実力の高さはそうとうなレベルだということが、
自分で鳴らす前からわかっている。

このことは、もう絶対にスピーカーのせいにはできない、ということである。
そのくらいTroubadour 40を中心とした菅野先生のシステムの音は、すごかった。

この時の菅野先生の音を聴いた人は、ほとんどが「すごいですね」といったらしい。
けれど菅野先生は、ぽろっと洩らされた。

「みんなすごいといってくれるけれど、
ほんとうにこの音のすごさがわかっているオーディオ業界の人は、
意外にも少ない。○○さんと○○さんくらいだよ……」と。

菅野先生は二人の名前を挙げられた。
誰なのかは書かない。明かすこともしない。

そういうものなのだ、残念なことに。

Date: 11月 20th, 2022
Cate: 同軸型ウーファー

同軸型ウーファー(その7)

その6)で書いているアイディアは実現するのに、けっこうな予算がかかる。
もう少し簡単に同軸型ウーファーの実験が可能になるやり方はないのか。

15インチ口径のウーファーの場合、
ボイスコイル径は4インチ(約10cm)である。
ということはセンターキャップを取り外せば、
露出する磁気回路に小口径ウーファーを接着すれば、簡易的な同軸型ウーファーになる。

小口径ウーファーの磁気回路の径が4インチ以下であれば問題なくつけられるわけだから、
10数cm口径のウーファーまで使える。

10cm口径、12cm口径、16cm口径までウーファーならば実験できる。
もちろん小口径ウーファーにはバックキャビティがないわけだから、
小口径ウーファーの背面の音と前面の音とは干渉するし、
小口径ウーファーの背面の音と大口径ウーファーの前面の音とも干渉する。

けれど小口径ウーファーの背面の音と大口径ウーファーの前面の音とは、
ある程度打ち消しも発生するだろうし、どんな音が鳴ってくれるのかは、
ちょっと想像がつきにくい面もある。

いきなり高価なウーファーでやるのはリスクがあるが、
ほどほどの価格の大口径ウーファーが手に入ったら、まず実験してみたい。

Date: 11月 20th, 2022
Cate: 終のスピーカー

終のスピーカー(その14)

その13)で、
縁があったから、私のところにやって来た、と私は思っている。

縁をただ坐って待っていたわけではない。
とはいえ積極的に縁をつくろうとしてきたわけではない。

ふり返れば、これらのオーディオが私のところにやって来た縁は、
audio sharingをやってきたから、続けてきたから、そこから生れてきた縁のおかげである。

そう書いている。
今日やって来たTroubadour 40と4PIも、そうだとはっきりといえる。

audio sharingをやってこなかったら、
このブログ、audio identity (designing)をやってなかったら、
Troubadour 40と4PIはやって来ることはなかった。

Date: 11月 20th, 2022
Cate: German Physiks, 終のスピーカー

終のスピーカー(Troubadour 40と4PI)がやって来た!!!

10月26日夕方に届いたメール。
そこには、「Troubadour 40と4PIを託したい」とあった。

Troubadour 40と4PI、
どちらもいつかは手に入れたいと思い続けてきたスピーカーユニットだ。
この二つのユニットを「託したい」とはどういうことなの?

とにかく急いでメール本文を読む。
すでに書いているように、そこには私にとって夢のような内容だった。

そして今日(11月20日)、メールをくださったSさんのところに行ってきた。
Troubadour 40と4PIが、
私にとっての終のスピーカーがやって来た。

満足のゆく音で鳴らすには、これからいろいろやることがある。
それはそれで楽しい日々のはず。

とにかく今日、終のスピーカーがやって来た、
このことがとても嬉しい。

Date: 11月 19th, 2022
Cate: ディスク/ブック

Beethoven · Schumann · Franck / Renaud Capuçon · Martha Argerich

“Beethoven · Schumann · Franck / Renaud Capuçon · Martha Argerich”、
ヴァイオリニストのルノー・カプソンとピアニストのマルタ・アルゲリッチによるライヴ録音。
TIDALで、MQA(48kHz)で聴いた。

2022年4月23日の録音だから、アルゲリッチは80歳。
でも演奏を聴いていると、とうていそんな高齢とはまったく思えない。
この人は、いったい何歳なのか、とおもってしまう。

みずみずしい。
アルゲリッチには、もっともっと長生きしてほしい。
90歳の演奏、100歳になっての演奏。それらを聴いていきたい。

Date: 11月 19th, 2022
Cate: German Physiks

ジャーマン・フィジックスとマンガー

ジャーマン・フィジックスとマンガーは、
どちらもドイツのスピーカーメーカーで、
ベンディングウェーヴ型ユニットを開発し製品化している。

ジャーマン・フィジックスを聴く機会はけっこうあった。
マンガーを聴いたことはわずかで、じっくり聴けた、とはいえない。
それでもマンガーの良さは感じている。

菅野先生は、ジャーマン・フィジックスを導入されたころ、
ジャーマン・フィジックスとマンガーの人たちと座談会をしたい、
話をいろいろききたい、と話されていた。

おそらくステレオサウンドの編集部にも、同じことを話されていた、と思う。

Date: 11月 19th, 2022
Cate: German Physiks

Troubadour 40とウーファーのこと(その2)

ユニバーサルウーファーというテーマで、別項をいくつか書いている。
これは、いつかはTroubadour 40かUnicornを鳴らす日がきっとくる──、
それを夢見てのことだ。

ジャーマン・フィジックスのDDD型ユニットは水平方向無指向性である。
ウーファーを考えるにあたって、このことにとらわれないようにしたい。

低音部も無指向性とすることが、
DDD型ユニットとうまくつながるとは考えないことだ。

低音はもともと指向特性が広いからだ。
ジャーマン・フィジックスにしても、HRSシリーズはウーファーを床に向けているが、
Gaudíやそれに次ぐモデルは、そんなことをしていない。

HRSシリーズのようなやり方を否定はしないものの、
DDD型ユニットと組み合わせるということを考えるのではなく、
良好な低音再生を、まず考えるのが先である。

別項「スーパーウーファーについて(その21)」では、
ユニバーサルウーファーではなく、
Universal Bass(ユニバーサルベース、ユニバーサルバス)と呼ぶべき、
Universal Bassは、それが鳴らされる環境において、
時間と手間と知恵をかけて形成されるものである、と書いた。

Universal Bassこそ、目指すみちである。

Date: 11月 18th, 2022
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(MQairのこと・その2)

つい先日、BOSEのSoundLink Revolve IIを聴いた。
個人宅の広いリビングルームのほぼ中央に置かれてあるのを、なんとなく聴いていた。

これが、悪くない音を聴かせてくれる。
一台だけなのでモノーラルで鳴っているのだが、なんとなく聴いていると、
水平方向無指向性ということがうまく効いていて、けっこう拡がってきこえてくる。
音量はBGMとして、会話の邪魔にならないくらいだから、大きかったわけではない。

それでもふとした拍子に、いいかも、と思えるくらいには鳴っていた。

もしこのSoundLink Revolve IIがMQairに対応したらどうなるのだろうか。
そんなことも想像しながら聴いていた。

BOSEがMQairに対応するのかどうかはいまのところなんともいえないが、
他社のスマートスピーカーで対応してくるモデルは、いくつか出てくるであろう。

オーディオマニアは、ついこんなモノ……、と捉えがちになるが、
もうあなどれない時代になってきている。
しかもMQairは、確実に底上げしてくれる。

そういう時代になったときのことを、少しは想像してほしい。
いろんなことを想像してみてほしい。

Date: 11月 18th, 2022
Cate: German Physiks

ジャーマン・フィジックス Troubadour 40のこと(その1)

私が初めて聴いたジャーマン・フィジックスのスピーカーは、
これまで書いているようにUnicornである。

タイムロードがジャーマン・フィジックスを扱うようになったころからラインナップにあった、
ときいている。
けれどDDD型ユニットだけでは低音の十全な再生は望めない、
それで輸入は見送られた、ときいている。

日本に入ってきたジャーマン・フィジックスのスピーカーシステムは、
現在入ってきているHRS130と同じ構成のモデルだった。

これを聴かれた菅野先生は、DDD型ユニットの可能性を高く評価され、
Unicornというモデルが本国にあることを知り、輸入をすすめられたことで、
Unicornの取扱いが始まった。

DDD型ユニット単体のUnicorn、
このスピーカーシステムの音を聴けば、DDD型ユニットの可能性を、さらに知ることになる。

そうなるとDDD型ユニットを単体で手に入れ、自分でシステムを構築したら──、
そんなことを夢見ることになる。

菅野先生もそうだったのだろう。
菅野先生は、当時のタイムロードの社長の黒木弘子さんに、
DDD型ユニット単体というか、独立した製品としての開発を話された。

タイムロードの黒木さんは、ジャーマン・フィジックスにかけ合う。
そうやって誕生したのが、Troubadour 40である。

菅野先生はいわれた、
黒木さんがTroubadour 40の、いわば生みの親で、
自分が育ての親だ、と。

黒木さんの情熱がなければTroubadour 40は登場してこなかったし、
菅野先生の育ての親ということは、試作モデルをかなり試聴されたからなのだろう。

Date: 11月 17th, 2022
Cate: ちいさな結論

ちいさな結論(「音は人なり」の「人」とは)

「音は『かたち』なり」と、2008年9月10日に書いていることが、
音は人なりの「人」なのだろう。

Date: 11月 17th, 2022
Cate: ロマン

好きという感情の表現(その11)

火曜日(11月15日)の夜、四人の集まりだった。
あれこれ楽しい会話が続いた。

そこで、好きということについてが話題になり、一つ思い出したことがあった。
いまから二十年以上昔の話だ。
まだスマートフォンは存在していなかった。

インターネットも普及しているとは、まだいえないような、そんな時代のころだ。

夜、電車に乗っていた。
私の近くに、二十代と思われる男女のカップルがいた。
男が、「キューブリック監督のファンなんだ」と女に話した。
女は「キューブリックって、どんな監督? どんな作品が好きなの?」と訊く。
それに対して男は「フルメタル・ジャケット」と答える。
女は「フルメタル・ジャケット?」「他にはどの作品が好きなの?」と。

男は少し間をおいてふたたび「フルメタル・ジャケット」という。
女はさらに「他には?」と。
男は、また「フルメタル・ジャケット」と答えていた。

キューブリック監督のファンとはいえない私でも、
他の作品はもちろんいくつか知っている。

それでも二人は見つめ合っていた。
女があきれた、とか、蔑むように男を見ていたのではなかった。
なんら二人の仲に変化はなかったように見受けられた。

男は、おそらく「フルメタル・ジャケット」しか、
キューブリック監督の作品は観ていないのだろう。
もしかすると、「フルメタル・ジャケット」も観ていないのかもしれない。
「フルメタル・ジャケット」について、何かを話していたわけでもなかったからだ。

笑い話でもあるわけだが、これでもいいようにも、いまは思うことがある。
当人同士が惚れ合っているのだから、それでいいのだろう。

「フルメタル・ジャケット」しか挙げられようでは、
キューブリック監督のファンとはいえない──、そう言うのはできるけれど、
本人が好きだ、というのであれば、周りがとやかくいうことではない。

まして好きということは、比較するようなことではない。
キューブリック監督の作品をすべていえる人は、
そしてすべての作品を観ている人は、電車の男よりも、
一般的にはキューブリック監督のファンということになる。

私も、そう思う。
それでも当人同士がしあわせなのだから、それでいいじゃないか、
本人(男)がキューブリック監督のファンだといい、相手(女)は疑わないのだから。

Date: 11月 17th, 2022
Cate: 新製品

新製品(ヤマハ YH5000SE)

ヤマハのヘッドフォン、YH5000SEが正式に発表になった。

プロトタイプがヘッドフォン祭で発表展示されていたようなのだが、
ヘッドフォン祭には再開されてからも行っていない。

今年は、このヤマハのヘッドフォンが聴けたのであれば、行けばよかった──、
YH5000SEのプロトタイプの紹介記事を読みながら思っていた。

このヘッドフォンは、ヤマハのフラッグシップ5000シリーズとしての位置づけ。
そうとうに気合いの入ったヘッドフォンのように感じられる。

外観も、写真だけの判断なのだが、精悍な感じが、
他の5000シリーズとはあきらかに違う。ここも気に入っているところだ。

技術内容については、上のリンク先を読んでもらうとして、
以前、別項「オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(ヤマハのヘッドフォン)」で、
ヤマハの現行ヘッドフォンのデザインには違和感をおぼえる、と書いている。

今回のYH5000SEには、そういう違和感はないどころか、
むしろ、とてもヤマハらしい、とも感じている。

価格は五十万円ほど、らしい。
とにかくじっくり聴いてみたい、ひさびさのヤマハの新製品だ。

Date: 11月 16th, 2022
Cate: German Physiks

Troubadour 40とウーファーのこと(その1)

ジャーマン・フィジックスのTroubadour 40は、
いわばスピーカーユニット単体といえる存在ゆえに、
なんらかのウーファーを用意する必要がある。

Troubadour 40を単体で鳴らしたこともある。
Troubadour 40に見合うウーファーとはいえない、
たまたま知人宅にころがっていたといえる25cm口径のユニット、
バスレフ型のエンクロージュアを足して鳴らした音も聴いている。

これでも意外なほど鳴ってくれることは確認している。
それでもTroubadour 40に見合うだけのウーファー(低音)を用意する必要がある。

菅野先生はJBLの2205をお使いだった。
Troubadour 40を持っていた知人は、JBLの1500ALを購入した。
けれどエンクロージュアを用意する前に、Troubadour 40も1500ALも手放している。

私も、そのころは1500ALは最良の選択の一つと考えていた。
このころ、1500ALは販売されていた。
1500ALは1501ALとなったが、もうこのウーファーだけの販売は行われていない。

購入できるできないは別として、
どういう低音部がいいのだろうか、とあれこれ考える。

別項「2022年ショウ雑感」で、
Brodmann Acousticsのスピーカーは聴けなかったことを、あえて書いたのは、
Troubadour 40のことがあったためでもある。

現実的に、そういう使い方はしないのだろうが、
Troubadour 40とBrodmann Acousticsのスピーカーの低音の組合せ、
かなりうまくいきそうな予感だけはある。

そんなことを想像していたから、Brodmann Acousticsのスピーカーを、
今一度聴いてみたかったわけだ。

Date: 11月 16th, 2022
Cate: plain sounding high thinking

オーディオはすでに消えてただ裸の音楽が鳴りはじめる(その14)

《オーディオはすでに消えてただ裸の音楽が鳴りはじめる》
終のスピーカーを迎える私は、そういう音をはたして鳴らせるのだろうか。