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Date: 7月 28th, 2014
Cate: 「スピーカー」論

トーキー用スピーカーとは(Dolby Atmos・その5)

「スタートレック イントゥ・ダークネス」、「アメイジング・スパイダーマン2」では、
いくつかのシーンで、そこで鳴っている音に反射的に体が反応してしまう。
それだからこそ、臨場感という、いまではオーディオではあまり使われなくなってきている、この表現を使う。

ただ、いい音がしているだけでは体は反応しない。
体が反応するということは、現実の音と錯覚しているのかもしれない。
何が要因でそうなるのかまではわからないまでも、ドルビーアトモスには、まさしく臨場感がある。

映画のシーンでは、空間がつねに同じわけではない。
閉ざされた空間もあれば開放された空間もあるし、
閉ざされた空間にしても、どういう構造体により閉ざされているのか、という違いはあるし、
閉ざされている空間が、何かによって一瞬にして開放されることもある。

そういった空間のシチュエーションを映像だけでなく、音響でも表現できるのがドルビーアトモスのような気がする。

「ゴジラ」にもいくつもの空間のシチュエーションがあった。
だかそこで鳴っている音が、それぞれのシチュエーションを見事に表現していたか、というと、そうとはいえない。
たとえばあるシーンで閉ざされた空間から、重い扉を開けたら、というシーンがある。
そこは堅固な構造物でのシーンから外界へ切り替るシーンでもある。

映像では暗いシーンから明るいシーンへとなる。
だが、音響がそれについていっていない。
だから、いい音で鳴っているな……、と終ってしまう。
体が反応する、ということがない。

Date: 7月 28th, 2014
Cate: 「スピーカー」論

トーキー用スピーカーとは(Dolby Atmos・その4)

1963年生れだから、子供のころ、ゴジラは映画館でよく観た。
今年はゴジラ生誕60周年で、ハリウッド制作の「ゴジラ」が7月25日から公開されている。

「スタートレック イントゥ・ダークネス」、「アメイジング・スパイダーマン2」を、
3D+ドルビーアトモスで観た私は、
ゴジラのような巨大生物が登場する映画こそ、3D+ドルビーアトモスで観たい映画である。

ハリウッド制作の「ゴジラ」がドルビーアトモスだということは早くから伝わっていた。
1998年のハリウッド制作の「ゴジラ」と今回の「ゴジラ」はずいぶん違う、ということも伝わってきた。
期待は高まるわけで、できるだけ早いうちに観に行きたいと思っていたら、
鑑賞券が当った、というメールが、25日に届いた。

そういえはfacebookで鑑賞券プレゼントに応募していた、と思い出した。
しかもドルビーアトモスによる上映の鑑賞券である。
日時も指定されているから、さっそく昨日コレド室町にあるTOHOシネマズに行ってきた。

「スタートレック イントゥ・ダークネス」、「アメイジング・スパイダーマン2」の上映にはなかった、
ドルビーアトモスのデモ(短い時間のもの)が、本編の直前に流れた。
これの出来がすごくいいだけに、「ゴジラ」本編のドルビーアトモスその期待は、さらに大きくなっていた。

「スタートレック イントゥ・ダークネス」、「アメイジング・スパイダーマン2」を観て、
ドルビーアトモスの特長は臨場感にある、と感じていた。
なのだが、残念なことに「ゴジラ」では、その臨場感が期待したほどではなかった。

今回の「ゴジラ」がドルビーアトモスを初めて体験するのであれば、
けっこう高い評価をしたであろうが、すでに二回体験し、その臨場感に昂奮していたのだから、
つい厳しいことをいいたくなる。