名器、その解釈(マッキントッシュ MC75の復刻・その2)
なぜMC275を名器だと捉えるのだろうか。
名器とは、すぐれた器物・楽器。有名な器物・楽器、と辞書には書いてある。
つまりは何も古いモノでなくとも、現代のモノであっても、
すぐれた器物、有名な器物であれば、名器といえるわけだ。
けれどオーディオの世界においては、名器はほとんどの場合、過去の製品につけられる。
現行製品で非常に優れたモノがあったとしても、名器と呼ぶことは少ない。
私自身も、感覚的に名器ということになると、現在の製品に対して使うことはまずない。
ほぼすべて過去の製品に対して、のみである。
現行製品に対して名器を使っている例を、目にしないわけではないし、
使い方としては間違っているとはいえないのだが、どこか異和感がある。
これもおかしなことといえる。
過去の製品、その中でも名器と呼ばれる製品は、
その後のオーディオの発展のきっかけ、もしくは原動力となったモノなのはわかっている。
けれど、やはり過去の製品であることには変わりない。
10年前、20年前、30年前……、もっと古いオーディオ機器の中にも、いまだ名器とされるモノがある。