Mark Levinsonというブランドの特異性(その44)
バッファーアンプ用のモジュールLD2を抜きとれば、バッファーアンプなしの音が聴けるのであれば、
すぐにでも試してみるところだが、残念ながらそうはいかない。
バッファーアンプの有無により、どれだけ音が変化するのは、だから想像で語るしかない。
マークレビンソンのLNP2、JC2の音は、あきらかに硬水をイメージさせる。
ここが、ML7と大きく違うところでもある、と私は思っている。
パッファーアンプ仕様にするということは、LNP2を構成するLD2モジュールのもつ硬水的性格を、
より高めていくことになるのではなかろうか。
その意味では、単に音としての純度ではなく、LNP2としての純度、
マークレビンソンのアンプとしての純度を高めていくことでもあるように感じられる。
硬水をさらに硬水にすることで、細部に浸透させるミネラル分を濃くすることで、
音楽の細部の実体感を増し、音像のクリアネスを高めていくことにつながっていくようにも思う。
世田谷のリスニングルームに移られるまでは、音量を絞って聴くことの多かった瀬川先生にとって、
これらの音の変化は、大切なことであったのかもしれない。