賞からの離脱(その5)
いまはステレオサウンドグランプリ(Stereo Sound Grand Prix)と名称になっている賞は、
以前はコンポーネンツ・オブ・ザ・イヤー(Components of The Year)だったし、
その前はステート・オブ・ジ・アート(State of The Art)だった。
ステート・オブ・ジ・アート賞の最初は49号(1978年12月発行)であるから、
ステレオサウンドの、いまにつづく賞は、ここから始まった、ともいえるけれど、
実際にはこの2年前、1976年12月に出た41号から始まった、とみるべきである。
ステレオサウンド 41号の特集は「コンポーネントステレオ世界の一流品」であり、
賞がつく名称こそ使われていないが、
記事全体のつくり方を41号と49号を比較してみると、同じといえる。
41号で「世界の一流品」として選出されているコンポーネントは下記のとおり。
●スピーカーシステム
JBL 4350
JBL 4343
JBL D44000 Paragon
アルテック A5
QUAD ESL
ボザーク B410 Moorish
ヴァイタヴォックス CN191
タンノイ Arden
タンノイ Devon
タンノイ Eaton
ダイヤトーン 2S305
シーメンス Eurodyn
シーメンス Europhon
JBL 4333A
JBL L300
アルテック 620A
エレクトロボイス Sentry IVA
クリプシュ K-B-WO Klipsch Horn
ラウザー TPI Type D
ロックウッド Major Gemini
ロックウッド Major
KEF Model 5/1AC
KEF Model 104aB
KEF Model 103
ロジャース LS3/5A
アコースティック・リサーチ AR10π
キャバス Brigantin
スペンドール BCII
アリソン Alison One
ダルキスト DQ10
マグネパン MGII
セレッション UL6
ビクター SX3III
ヤマハ NS690II
サンスイ SP-G300
サンスイ LM022
ビクター S3
ヤマハ NS451
デンオン SC104
ダイヤトーン DS251MKII
オンキョー M3
アンプ、チューナー、プレーヤー、カートリッジなども選出されていて、
これらについても書き出そうと最初は思っていたものの、
けっこうな数になるので、スピーカーシステムだけにしておくが、
41号で選出されたスピーカーシステムの中で最も高価なのはシーメンスのEurophonで、145万円(1本)、
反対に最も安価なのはヤマハのNS451で、26500円(1本)。
50倍以上の開きがある。
Europhonは2ウェイのスピーカーシステムだが、パワーアンプ内蔵でしかもマルチアンプ駆動ということも、
高価な理由でもある。
アンプを搭載していないスピーカーシステムでは、
やはりシーメンスのEurodynで、110万円(1本)。