私にとってアナログディスク再生とは(デザインのこと・その8)
SME・3012-Rを取り付けるターンテーブル選びは、
ステレオサウンド 58号の瀬川先生の記事を読んだ時から、ずっと考え続けていたことである。
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どのレコードも、実にうまいこと鳴ってくれる。嬉しくなってくる。酒の出てこないのが口惜しいくらい、テストという雰囲気ではなくなっている。ペギー・リーとジョージ・シアリングの1959年のライヴ(ビューティ・アンド・ザ・ビート)が、こんなにたっぷりと、豊かに鳴るのがふしぎに思われてくる。レコードの途中で思わず私が「お、これがレヴィンソンのアンプの音だと思えるか!」と叫ぶ。レヴィンソンといい、JBLといい、こんなに暖かく豊かでリッチな面を持っていたことを、SMEとマイクロの組合せが教えてくれたことになる。
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ここのところう読んだ直後、というか、読みながら、すでに3012-Rを買う! と決心していた。
その決心と同時に、ターンテーブルは何にしようか、と考えていたわけだから、
ほぼ1年、頭のなかであれこれシミュレーションしていて、
すでに書いたようにマイクロのRX5000 + RY5500にしたわけだ。
RX5000 + RY5500はトーンアームをセットした状態でも、
プレーヤーシステムとは呼べない性格のプレーヤーである。
プレーヤーシステムではなく、プレーヤーを構成するパーツを売っているようなもので、
プレーヤーモジュールと呼ぶべきかもしれない。
デザインに関しても、洗練されているとはお世辞にもいえない。
はっきりいって武骨である。3012-Rの優美さとは似合わない、と最初は思っていた。
けれど、そんな頭のなかだけのシミュレーションと実際は違うわけで、
それはこの項の余談でも書いているように、
自転車のフレームを単体で見ていたときと自転車として組み上げた時とで、
そのフレームに対する印象がまるっきり変ってしまうのと同じことを、体験していた。