Date: 11月 23rd, 2012
Cate: アナログディスク再生
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私にとってアナログディスク再生とは(デザインのこと・その2)

人は生れてくる時代を選べないから、生れてきた時代をいい時代と思うようになっているのかもしれない。
そう思い込みたいのかもしれない。

たとえそうであってもアナログディスク再生ということに関していえば、
私が生れた時代(1963年)は、まだよかった、といえる。

いくつもの製品、いくつもの試みを実際にみて触れて、聴くことができたからだ。
じつにいろんなアナログプレーヤーがあった、と振り返って思う。

私がオーディオに関心をもちはじめて、ステレオサウンドを読みはじめたころ(1976年)は、
アナログプレーヤーはダイレクトドライヴ型が全盛の時だった。
それでも、ベルトドライヴ型のトーレンスのTD125、リンのLP12、デュアルの124、エンパイア698があったし、
アイドラー型も、EMT・930st、927Dstがまだ現役だったし、ガラードの401もまだ残っていた。

数は少なかったけれど、これらのプレーヤーが現役だったのは、
性能面ではダイレクトドライヴ型には及ばないものの、音質面ではそうでなかったからである。

ガラードの401については、瀬川先生がステレオサウンド 43号で、こんなことを書かれている。
     *
ワフ・フラッターなど、最近の国産DDと比較すると極めて悪いかに(数値上は)みえる。キャビネットの質量をできるだけ増して、取付けに工夫しないとゴロも出る。
     *
ダイレクトドライヴ型ならばゴロなんて発生する製品は皆無である。
なのにガラード401はターンテーブル単体で49800円(これだけ出せば国産のプレーヤーシステムが購入できた)。
これをキャビネットに取付けて、しかも専用キャビネットは販売されていなかったから、
自分で設計し作るか、市販のプレーヤーキャビネットを買ってこなければならない。
それにトーンアームも当然必要で、そうすると100000円は軽くこえてしまう。

それでもゴロの発生を完璧に抑えられるかどうかは保証されないのだ。
そんなターンテーブルである401が、ベストバイとして選ばれている。

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