オリジナルとは(続×八・チャートウェルのLS3/5A)
ロジャースのStudio Oneの、1981年当時の価格は148000円(1本)だった。
同価格帯には、スペンドールのBCII(138000円)、KEFの104aB(129000円)、JBL4311B(135000円)、
ヤマハNS1000M(108000円)、パイオニアS933(118000円)、BOSE901 IV(149000円)などがあった。
これらのスピーカーシステムのなかでは、Studio OneとBCIIの音は近い、といえる。
ほかのスピーカーシステムとStudio Oneとの音の違いは、BCIIとの差よりもずっと大きい。
同じイギリス製の104aBでも、Studio Oneとの差はBCIIよりも大きく、
さらに国が違うヤマハ、パイオニア、JBL、BOSEとなると、まったく別の魅力をもつスピーカーということになる。
Studio OneとNS1000M、Studio Oneと4311Bを比較試聴した後に、
Studio OneとBCIIを比較すれば、同じじゃないか、と判断する人がいても不思議ではない。
Studio OneとBCIIは似ている。
同じところも持っている。なのに、私の耳には、BCIIには魅力を感じてもStudio Oneには魅力を感じない。
PM510に魅力を感じてもPM510SIIには魅力を感じない。
なぜ、そう感じてしまうのか。
これは、私以外の誰にでもあることではないだろうか。
私にとっては、Studio OneとBCII、PM510とPM510SIIがそういうことになるが、
ほかの人にはほかの人なりの、こういう例があるはず。
ほかの人からしてみれば、同じじゃないか、といわれる差が、どうしてもがまんできない、
受け入れ難いものとして存在している。
しかも、この「差」は、オーディオ機器(スピーカーシステム)としての能力の差とは関係ない。
Studio OneとBCIIの間にも、PM510とPM510SIIとの間にも、
変換器としての能力の差は、それほど大きなものではなくとも存在している。
とはいえ、ここで関係しているのは、オーディオ的音色ということになる。