Date: 10月 20th, 2012
Cate: 異相の木
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「異相の木」(その7)

オーディオにおける「異相の木」は、
すべてのジャンルについて存在するのだろうか。

私にとっての「異相の木」はJBLのD130であることは、(その6)に書いた。
他に、どんな異相の木が私にはあるのか、と考えていた。

スピーカーだけに限らず、アンプ、CDプレーヤー、アナログプレーヤー、カートリッジにおいて、
異相の木と呼べるモノが、私にはあるのだろうか。
私に限ることはない。

他の人でいい。
私以外の人の場合、その人にとっての異相の木は、
私と同じようにスピーカーになるのか、それともアンプだったりするのだろうか。

黒田先生が「異相の木」を書かれたのは、ステレオサウンド 56号(1980年)だから、
まだCDは登場していなくてアナログディスク全盛の時代だった。
アナログディスクを再生するカートリッジも、実に豊富だった。

カートリッジもまた、スピーカーと同じく変換器である。
しかもスピーカーとは違い、場所をとらない。
それに同じ部屋に複数置いていても、特に音に影響はない。

スピーカーの場合、同じ空間に鳴らさないスピーカーがあれば、
それが鳴っている音に影響を与えるわけだが、カートリッジには原則としてそういうことはない。

あえて「原則として」と書いたのは、
複数のカートリッジ所有している人で、
それらの複数のカートリッジをアナログプレーヤーの置き台に並べている。
あまりいないけれど、プレーヤーの、空きスペースに置いている人も、何かの雑誌の写真で見かけたこともある。

井上先生が散々いわれたことだが、
こんなふうにカートリッジを無造作に置くのは、音質上影響を与える。
わずかとはいえ、台の上、プレーヤーの上に置いたカートリッジが共振してしまうためである。
だからプレーヤーまわりは、つねに片づけておかなければならない。

ステレオサウンドでの試聴の時も、
アナログプレーヤーを使わないときは、
プレーヤーの置き台はカートリッジやクリーナーなどアクセサリーの置き場所になっている。
けれどアナログプレーヤーを使う試聴にはいると、台の上には何一つ置かない。
置いていた方が便利であっても、だ。

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