モノと「モノ」(続・ワルターのCDにおもったこと)
“Bruno Walter Conducts Mahler”はCD一枚一枚は紙ジャケットにおさめられている。
この紙ジャケット、ボックスもの、それも廉価盤だと、サイズがぎりぎりなものがかなり多い。
だからCDを取り出すときもしまうときも、きつい。
ジャケットの内側に盤面がすれて、キズがつきやすい感じがして好きになれない。
実際、少なからずキズがついていることも、最近増えている。
ボックスもののCDでも、LPのような薄い紙の内袋におさめられているものだと、
スムーズにとりだせるし、CDの盤面にキズがつく心配もない。
前者のボックスものだと、愛聴盤といえどもCDを取り出すのが億劫になる。
取り出しにくいから、ということもあるけれど、ディスクにどうしても細かいキズがはいっていくからである。
紙ジャケットだけではない。
プラスチックケースのものでも透明タイプのものだと、
ディスクをクランプしているツメの部分がかたすぎて、
CDが取り外しにくいものが、少なからずある。
このことを話してみると、どうもクラシックのCDに関して、多く見受けられることのようだ。
ロック、ポップスのCDをかなりの枚数購入している友人の話では、
そういう経験はいまのところはない、とのこと。
このすべて透明なプラスチックケースの、ディスクの取り外しにくさは、
ギリギリサイズの紙ジャケットよりも、イヤになる。
ディスクが割れるんじゃないか、と心配になるほど反ってしまうことがあるからだ。
正直、ツメの何本かを割ってしまおうかと思いたくなるほど、
ディスクをしっかりとくわえこんでいてディスクを解放してくれない。
聴きたい! と思っても、取り出したいディスクが、この透明のプラスチックケースだと、
聴くのをやめようかな、と思う。
すべての透明のプラスチックケースがそうではない。
すんなり取り出せるケースもある。
けれど、この2、3年の間、クラシックのCDに関しては、
聴き手の心情をまったく考えていないケースが着実に増えてきている。
これらの紙ジャケット、透明のプラスチックケースのCDだと、
極力リッピングするようにしている。
聴きたいと思うたびに、ディスクの取出しでイヤなおもいをしたくないからである。