岩崎千明氏のこと(その24)
「ステレオは飾りモノじゃないんだよ」といって、
岩崎先生は、JBLのコントロールアンプ、SG520の汚れを落とそうとはされなかった、ときいている。
中野で開かれていたジャズ喫茶でも使われていたことと、リスニングルームで喫煙されていたことで、
フロントパネルは、かなり汚れていたにもかかわらず、内部は新品同様にきれいにされていた、ともきいている。
アンプ内部にほこりがたまり、トランジスターや抵抗、コンデンサーのリード線にヤニがついたりしていては、
本来の性能(音)は発揮できない。そんな状態では、対決するなんてできない。
大音量は、そして、皮膚感覚を呼び起こすためでもあったように思う。
音を聴くのは耳だけだが、音を感じるのは耳だけではなく、からだ全体である。
五感をとぎすますためにも、皮膚感覚にうったえるだけの音量が必要だったのかもしれない。