Date: 6月 6th, 2012
Cate: D130, JBL
Tags:

D130とアンプのこと(その10)

ステレオサウンド 53号に、こんな記事が載った。
それまでのステレオサウンドにはなかった記事(私が読みはじめた41号なので、それ以降ということだが)。
タイトルはかなり長めで、
「プロフェッショナルたちがあなたの装置のトラブルや不磨をチェックするとこうなります」で、
筆者名のところにははじめてみる宇田川弘司とあった。

宇田川氏については記事中にはなにもふれられていなので、どんな経歴の方なのかは私は知らない。
それにこの記事のタイトルにある「プロフェッショナルたち」からわかるは、
この記事は宇田川氏だけでなく、
ほかの方々(どんな方なのかは不明)も登場して連載記事にする予定だったのだろう。

この記事は53号だけで終ってしまった。
ステレオサウンドをずっと読んでこられた方でも、この記事をおぼえている方はそんなに多くないようにも思う。
地味な印象の記事だった。

この記事に登場した読者の川畑さんは、
JBLの4331Aに2405のコンシュマー版の077をつけ加えられたスピーカーシステムを使われている。

この4331Aに対して、宇田川氏は私見として
「プロ用のウーファーはオーバーダンピングぎみになりがちだから」と語られている。
そして川畑さんの不満を解消するためにパワーアンプとスピーカーのあいだに直列に抵抗をいれられた。

つまりパワーアンプの出力インピーダンスを高くしてしまうわけだ。
たとえば1Ωの抵抗を直列にいれれば、この1Ωぶんだけパワーアンプの出力インピーダンスは高くなる。
仮にパワーアンプの出力インピーダンスが0.1Ωだったら1+0.1で1.1Ωになる。
当然ダンピングファクターは低くなる。
0.1Ωだと80あったダンピングファクターが、1.1Ωだと7.2727となってしまう。

宇田川氏は音を聴きながら直列にいれる抵抗の値を1Ω、0.5Ωと変えられ、
さらにパワーアンプが管球式かトランジスターかによっても抵抗値を変えられている。

こういう手法があることは、ステレオサウンド 53号を読む以前にも何かで読んだ記憶があり知ってはいた。
知ってはいたけれど……、である。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]