Date: 3月 8th, 2012
Cate: 真空管アンプ
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真空管アンプの存在(その81)

マランツのふたつのコントロールアンプ、Model 1とModel 7はモノーラルとステレオという違いだけでなく、
回路自体も異る面をいくつか持つ。

Model 1もModel 7もECC83を片チャンネルあたり3本使っている点は同じだが、
まずフォノイコライザー回路はModel 1は2段構成のNF型で、
つまり1本のECC83でフォノイコライザーは構成されているわけだ。
その後に1段増幅、CR型トーンコントロール、1段増幅、ラウドネスコンペンセーターときて、
1段増幅、ボリュウム(モノーラルだが2連タイプでフォノイコライザーのすぐ後にも入っている)、
最終段のみがカソードフォロアーとなっている。

ECC83(12AX7)は双三極管なので1本に2ユニットはいっていて、
それぞれのユニットをA、Bとすると、
Model 1ではモノーラルということもあり、信号はV1A、V1B、V2A、V2B、V3A、V3Bの順でいく。
カソードフォロアーはV3Bのみである。

Model 7になるとまずフォノイコライザーが2段増幅+カソードフォロアーという、3段構成になっている。
いわゆる3段K-K帰還型である。
トーンコントロールもModel 1のCR型からNF型へとなり、
この部分がラインアンプにあたり最終段はやはりカソードフォロアーである。
Model 1では1箇所だけだったカソードフォロアーがModel 7では2箇所になっているわけだ。
そして、いうまでもなくModel 7はステレオということもあって、信号の流れはModel 1のような順番通りではない。

Model 7では左チャンネルがCHANNEL A、右チャンネルがCHANNEL Bと表記されている。
左チャンネルの信号の流れを回路図で追っていくと、
V2A、V2B、V3A、V5A、V5B、V6Aとなっている。
右チャンネルはV1A、V1B、V3B、V4A、V4B、V6Bである。

まず気がつくのはV3とV6は内部の2ユニットをそれぞれ左右チャンネルに振り分けていることであり、
このV3とV6の2本のECC83がカソードフォロアーに使われている。

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