Noise Control/Noise Designという手法(その31)
そんなMC2300を見ながら、
そういえば瀬川先生がステレオサウンド 43号に書かれたことを思い出してもいた。
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300W×2というパワー自体はいまやそう珍しくないが、製品を前にしてその偉容に打たれ、鳴らしてみると、その底力のある充実したサウンドは、並の300W級が色あせるほどの凄みを感じさせる。歪感が皆無とはいえないが、なにしろ物凄いアンプだという実感に、こまかいことはどうでもよくなってくる。
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いまこうやって書き写してみても、たしかにMC2300はそういうアンプだと思い出される。
瀬川先生はMC2300の音を「サウンド」と表現されている。
これもわかる。
「こまかいことはどうでもよくなってくる」も、よくわかる。
MC2300も初期のものと後期のものとでは細部の変更・改良が加えられていてようだが、
それでも1980年の終りごろに後継機のMC2500が出るまで、
マッキントッシュ・パワーアンプの旗艦として存在していた。
MC2300とMC2500の外観上の違いはツマミがMC2300の3つから4つに増えたことぐらいで、
あとはMC3500から続いているイメージのままだ。
MC2500は数年後にパネルがシルバーからブラックにかわり、それにともない細部も改良されている。
さらにMC2600となり、出力は300W、500W、600Wと、シャーシは同じでも増えていっている。
このMC2300、MC2500、MC2500(ブラックパネル)、MC2600への変化は、
電気モノから電子モノへの移り変りのように、私は感じている。
この変化は、ノイズの粒子感、質量感、実体感といったこととも関係している、はずである。