Date: 11月 27th, 2011
Cate: Noise Control/Noise Design
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Noise Control/Noise Designという手法(その27)

ウィルソン・ベネッシュのDiscoveryの手法は、ノイズ・コントロールといってもいい。
スピーカーシステムはからくりであると捉え、その中で創意工夫していくものだと考えている私は、
Discoveryの手法は、そこにイギリス的なものを感じとれる気もするし関心もする。
とはいえ、Discoveryの手法のみが、バスレフポートに起因するノイズ対策のすべてではないし、
スピーカーシステムの形態が変れば、その対策も変ってくる。

バスレフポートのノイズを根本的に解決するには、バスレフ型にしなければいい。
密閉型エンクロージュアを採用すれば、バスレフポートのノイズは、当り前すぎることだが発生しない。
だからといって、密閉型がほかの面においてバスレフ型よりも優れているわけでもないし、
どちらがエンクロージュアとして優れているとか劣っている、といったものでもない。

ただ言いたいのは、バスレフポートがあるからバスレフポートに起因するノイズが起る、ということだ。
ノイズに関しては、アクースティック蓄音器時代は、機械的なノイズしかなかった。
そこに電気がはいってきた。

SPの音溝をトレースして得られる振動が電気信号に変換され増幅されスピーカーを駆動して音にするから、
電気の力によって音量の調整が可能になった。
さらにトーンコントロールで音色のコントロールもできるようになった。
電気のメリットはそれなりにあった反面、電気が加わったことで、
それまでの機械的なノイズに電気的なノイズが加わるようになった。

それは密閉型エンクロージュアにバスレフポートという孔がついたことによって、
バスレフポートに起因するノイズが発生したのと同じで、
オーディオにおいては何かそれまでになかった「何か」が加われば、
もちろんその「何か」によるメリットはあるけれど、
必ず、その「何か」に起因するノイズが発生するものだと思っていたほうがいい。

モノーラルからステレオになったときも、その観点からみれば、
もう1チャンネル加わることで、クロストークというノイズが発生することになった。
チャンネル間のクロストークは、モノーラルではありえなかったことである。

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