Noise Control/Noise Designという手法(その25)
ウィルソン・ベネッシュのDiscoveryは、3ウェイの小型スピーカーシステムである。
3ウェイと表記したが、ウィルソン・ベネッシュのカタログには2.5ウェイとなっている。
フロントバッフルには17cm口径のウーファーと25mm口径のソフトドーム型トゥイーターがとりつけられていて、
一見すると2ウェイに見えるが、
エンクロージュアの底部にアイソバリック方式のウーファーの背面が顔をのぞかせている。
これがメーカーのいうところの2.5ウェイの0.5にあたる。
そして外観上の特徴は、このアイソバリック方式のウーファーだけではなく、
やはりエンクロージュア底部に露出しているバスレフポートにもある。
Discoveryはいわゆる小型スピーカーに属するサイズではあるが、
エンクロージュアとスタンドは一体化されている。
もっとも一体化させないことには、
エンクロージュア底部にウーファーの背面とバスレフポートを露出させることは無理なのだが。
Discoveryのバスレフポートの位置は、ひとつの解決方法といえる。
これはほかのサイズのスピーカーでは無理なことだし、しかもスタンドと一体型ということが条件となってくるため、
他のスピーカーシステムではなかなか採用しにくい面ももっているが、それでも高く評価したい。
エンクロージュアの背面にバスレフポートがあれば後ろの壁面との距離がシビアになってくるのと同じように、
エンクロージュアの底部にバスレフポートをもってくれば、床との距離がその分シビアになるはず。
けれどDiscoveryではスタンドと一体型ゆえに、バスレフポートの対面にはスタンドのベースがある。
このベースとの距離は一定であり、調整の必要はない。
つまりメーカーで指定された距離、といえるわけだ。
いうまでもないことだが、バスレフポートからの放射された音が直接耳を向くことはない。