Noise Control/Noise Designという手法(その24)
なにを優先するか、である。
聴感上のS/N比を、私は重要視するけれども、
聴感上のS/N比なんてそれほど重要じゃない、という音の求め方もある。
どちらが正しい、とか、間違っている、とかではなく、
ふたりの求める音楽、音楽に何をもとめるのか──、そのための音に要求するものの優先度が変ってくるからだ。
それにJBLの3つの4ウェイのスピーカーシステムを例に挙げたが、
4341、4343、4344の中で、どれを選ぶか。
私はためらうことなく4343を選ぶ。だからバスレフポートがエンクロージュアのいちばん下にあっても、
そういうものとして受けとめて、自分の求める音楽を鳴らしていくだけであって、
もし私が4344を選ぶ人間であれば、ポートが上にあってもかまわない、
それに下にあるよりもずっといい、というふうに受けとめるだろう。
結局のところ、自分の求めるスピーカーシステムで、どうなっているかの問題でしかない、という気持もある。
そう思いながらも、うまい手法だな、と関心してしまったスピーカーシステムもある。
ウィルソン・ベネッシュのDiscoveryである。
しばらく輸入元がなかったウィルソン・ベネッシュだが、
今年の秋から輸入が再開されていることを先月の終りに知った。
現在の輸入元(take 5)のサイトにスピーカーシステムはVectorしかないが、
ウィルソン・ベネッシュのサイトではDiscoveryは現行製品だから、いずれ取扱いがはじまることを期待したい。