Date: 11月 21st, 2011
Cate: Noise Control/Noise Design
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Noise Control/Noise Designという手法(その23)

バスレフ型の動作が単純なもので、バスレフポートからは共振周波数以外の音は放射されてない、
しかも位相はウーファーと常に同相である──、
そういう動作であれば、バスレフポートの位置は下側にあるよりも上にあったほうがいい、といってもいいだろうが、
実際のバスレフポートの動作は複雑なものであり、バスレフポートからは実にいろいろな音が出ている以上、
単に下側にあると低音がボンつく、とか、鳴らしにくい、とか、といった理由で、
ダメとは言い切れない難しさがついてまわる。

バスレフポートを上にもってくれば、聴き手の耳の位置がどの高さにあるかにもよるが、
場合によっては、バスレフポートが耳の位置と同じ高さになることがある。
このときの音に与える影響は、下側にあるときと違ってくるのは容易に想像できるし、
実際に聴感上のS/N比に敏感である人ならば、
バスレフポートを上に持ってきたスピーカーシステムの難しさを感じられるだろう。

バスレフポートからのノイズは、ポートの材質や表面の処理、
それに両端の形状、固定方法などによって変化してくる。
さらにはエンクロージュア内部の構造、吸音処理に仕方によっても変化してくるだけに、
ここが正解だということは、いまだいえないのが現状である。

さまざまな要素に注意を払えばはらうほど、バスレフポートの位置は難しい、といえる。
近視眼的に見ている(聴いている)のであれば、逆に答は出しやすい。
だが、それはあくまでも、ごく狭い要求に対しての答でしかなく、
スピーカーシステムに求めるものによっては答ではなくなってしまう。

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