Date: 11月 21st, 2011
Cate: Noise Control/Noise Design
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Noise Control/Noise Designという手法(その22)

だから聴感上のS/N比が高くなればなるほど、バスレフポートの設置位置は難しくなる。
バスレフポートからの放射は、はっきりと聴感上のS/N比に影響を与えるからだ。

フロントバッフルにポートを設けるのか、それともリアバッフルにするのか。
バスレフポートの助けを積極的に利用するのであれば、やはり前面につけたい。
エンクロージュア後方もひとつの手法ではあっても、狭い空間に設置する場合、
やはり後ろの壁との距離・角度が前面にあるよりもシビアになる傾向はある。

前面に設けるとしても、フロントバッフルのどこにするのか、でも大きく変ってくる。
たとえばJBLの4300シリーズをみていくと、機種毎によってバスレフポートの位置はさまざまである。
4ウェイの4341、4343、4344とではポートの位置は異っている。

4341ではウーファーの左側に上下に2つ並んでいる。
4343ではウーファーの下側左右にそれぞれひとつずつある。
4344ではミッドバスの横に、4341と同じように上下に2つ並んでいる。

4341、4343、4344のユニット構成はほほ同じ。
エンクロージュアの寸法も4341のみやや異っているが、4343と4344はまったく同じである。
にも関わらずバスレフポートの位置はみな異っている。

どれがいちばん良いのか。
4344だ、といともたやすく断言する人がいる。
理由は4343、4341とは異り、上についているから、だということらしい。
こんなことをいう人は4343のバスレフポートの位置は最悪だ、とまだ断言される。

ほんとうにそうだろうか。
低音の鳴らしやすさということでは、
たしかにバスレフポートはエンクロージュアの下側にあるよりも上側のほうが楽なことが多い、とはいえなくもない。
ただし、あくまでも、いえなくもない、ということであって、
鳴らしやすい、から、という理由で、4344のバスレフポートの位置が正解だと言い切ってしまう人は、
見方を変えれば、鳴らしにくいものからは理由をつけ逃げているだけ、
さらにいえば、うまく鳴らしていくことができないだけとも、いえなくもない。

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