妄想組合せの楽しみ(番外・その12)
この組合せで、コントロールアンプの第一候補に考えていたのは、
ゴールドムンドのユニバーサル・プリアンプと呼ばれている、
いわゆるデジタル入出力を備えるコントロールアンプだった。
ただ、こういう商品の性格上、聴く機会がまったくなかった。
ステレオサウンドをはじめオーディオ雑誌でもあまり積極的に採り上げられなかったようで、
信頼できる人による試聴記を読んだ記憶がない。
いったいどんな音をするのか。
それにゴールドムンドのサイトには、新型の情報が公開されていた。
日本にもこれがもうすぐ入ってくるのか、
入ってきたらインターナショナルオーディオショウで聴けるかもしれない……と思っていたら、
今年、ショウ初日に耳にしたことは、
ステラヴォックスジャパンがゴールドムンドの取扱いをやめる、ということとその理由について、だった。
そういわれてみると、ステラヴォックスジャパンのブースに、
ゴールドムンドの製品はMETISシリーズだけが飾られていただけだった。
なので、この組合せは少し変更しなければならなくなった。
どこか他の輸入商社が取り扱うようになるかもしれないが、
そうなったとしても、ゴールドムンドのデジタル・コントロールアンプを聴く機会は、ほとんどないかもしれない。
ゴールドムンドの製品の中で、私がいちばん聴いてみたいと発表されたときから思っていたのが、
デジタル・コントロールアンプの2機種だった。
たしかに特殊な製品といえばそういうことになるだろうが、
果して、ほんとうに特殊な製品なのだろうか、とも思う。
いまデジタル信号処理による音場補整イコライザーの興味深い製品がいくつか登場してきている。
これらを積極的に活用するとなると、デジタル・コントロールアンプの存在はひじょうに魅力的にくる。
D/A変換は、パワーアンプの直前で行なえばいい。
ゴールドムンドのパワーアンプはD/Aコンバーターを内蔵していたり、
搭載できたりできる仕様なのは当然としても、
一般的な従来のパワーアンプでも、D/Aコンバーターをパワーアンプの間近に置けばいい。
いまは、こういう性格のアンプを組み込もうとしたら、まだまだ過渡期ということになって、
それがまだまだ過渡期のまま続いていくような気がしないでもない。