私にとってアナログディスク再生とは(その30・余談)
リードインのノイズ音の話から、レコードの偏芯の話になりナカミチのTX1000について書いていって、
やっとAnna Logの話に戻ってきて、
TX1000とAnna Log、このふたつの写真をiMacのディスプレイに表示して見較べると、
どちらもアナログプレーヤーであり、30cmのレコードをかけるモノなのに、
どうしてこうも醸し出す雰囲気が違うのか、と思い、
アナログプレーヤーのデザインの面白さに、わくわくするものを感じとれる。
オーディオ・コンポーネントのなかでは、スピーカーシステムが、
デザインとしてはもっとも多彩と思われるかもしれない。
使用されるユニットの数・種類、口径はじつにさまざまで、エンクロージュアのサイズも形もさまざま。
そういうスピーカーシステムからすると、
アナログプレーヤーはレコードのサイズが決まっているからターンテーブル・プラッターの径も自動的に決まる。
ターンテーブルプラッターの他に必要とするものはトーンアーム。
中には複数トーンアームを搭載できるモノもあるが、多くは1本だけ。
このトーンアームのサイズも、スピーカーのユニットのサイズのバラバラさ加減と比較すると、
これもターンテーブル・プラッター同様、レギュラータイプとロングタイプがあるくらいだ。
にもかかわらず私はアナログプレーヤーのほうが、スピーカーシステム以上に作り手の考え方や、
それにレコードに対する想い加わってはっきりとした「かたち」となって顕れてくるものは、
他のジャンルの器械を見渡しても、そうはないのではないだろうか。
もっともっと、ほんとうにさらにさらに、アナログプレーヤーのデザインについては語られるべきだ。
きっと語り尽くせぬほどの何かがあり、その先にたどりつけるのであれば、
オーディオに関係したこと、という枠をこえた大事なものを見つけ出せそうな、そんな気がしてならない。